歌舞伎俳優、中村鶴松(本名・清水大希)容疑者(30)が東京・台東区のケバブ店のドアを蹴って壊したとして、建造物損壊の疑いで警視庁蔵前署に現行犯逮捕されたことが19日、分かった。当時、酒に酔っていたといい「覚えていない」と容疑を否認。この日午後、釈放された。中村屋一門のホープとして期待されており、2月1日には初代中村舞鶴(まいづる)襲名を控えていた。 2週間後に襲名を控える次世代を担う歌舞伎俳優が、現行犯逮捕された。 捜査関係者によると、酒に酔っていたとみられる鶴松は18日午前0時50分頃、東京・台東区のケバブ店のトイレを無断使用。店員が注意したところ、出入り口のドアを蹴るなどして壊したという。店員が110番通報し、駆け付けた蔵前署員が逮捕した。 この日午後7時5分頃に釈放。紺色のスーツ姿で蔵前署の玄関先に立つと、「この度はご心配、ご迷惑をお掛けして大変申し訳ありませんでした」と謝罪。「被害者の方には誠心誠意対応させていただきます」と続けて一礼し、黒の乗用車に乗り込んだ。 ケバブ店は、この日も営業。ドアに目立った傷やへこみは確認できなかったが、自動開閉式とみられるドアは、開いたままだった。 鶴松は2日に東京・浅草公会堂で開幕した「新春浅草歌舞伎」(26日まで)に出演していたが、18日に松竹が急きょ休演などを発表していた。 一般家庭に生まれた鶴松は児童劇団に所属し、2005年に十八代目中村勘三郎さん(12年死去、享年57)の部屋子に。故人から薫陶を受け、立役、女形、古典、新作とジャンルを問わず活躍。勘三郎さんの長男、中村勘九郎(44)、次男の中村七之助(42)がけん引する中村屋一門のホープとして期待され、歌舞伎とは無縁だった主人公が歌舞伎の世界に飛び込む映画「国宝」になぞらえて、〝リアル国宝〟と話題になっていた。 勘九郎と七之助が考えた名前の初代中村舞鶴を、2月1日に歌舞伎座で初日を迎える「猿若祭二月大歌舞伎」で襲名し、幹部に昇進予定。 今月13日に行われた同公演の会見に勘九郎、七之助とともに出席し「すてきな名前を1人でも多くのお客さまに知っていただいて、少しでも大きい名前にしていけるよう、これからも精進してまいります」と宣誓していたが、逮捕の影響が襲名に響く可能性も。