神奈川県警は16日、県内の昨年の特殊詐欺の被害額が約135億円に上り、被害額が過去最多だった前年から倍増して過去最悪になったと発表した。警察官をかたり現金をだまし取る手口が増えているとして、注意を呼びかけている。このほか、SNSを悪用した投資詐欺やロマンス詐欺の被害額も約144億円に上った。 昨年の特殊詐欺の認知件数は前年比480件増の2479件、被害額は同約69億円増の約135億4100万円だった。統計をとり始めた2004年以降最多だった前年(約66億6千万円)の2倍近くに達した。 手口では、オレオレ詐欺被害が約105億4800万円と最多だった。警察官をかたり「捜査名目」でだます詐欺が急増していて、この手口での認知件数は前年から3倍以上の909件だった。 ■急増する「警察官がたり」の手口は SNSのビデオ通話などで偽の手帳や制服を見せて信じさせ、「あなたの預金を調査する」などと指定した口座に送金させる手法がある。中には、「被疑者の愛人の胸にほくろがある」などと言ってビデオ通話で服を脱がせるなど性的被害を伴うケースもあったという。 県警暴力団対策課の福田達也課長代理は「警察がビデオ通話で手帳や逮捕状を見せることは絶対ない。警察を名乗るメッセージを受信した場合、最寄りの署に通報してください」と呼びかける。 著名人の画像などを勝手に使って偽のSNSアカウントに誘導して投資に誘ったり、恋愛感情を抱かせて金銭をだまし取ったりする「SNS型の投資詐欺・ロマンス詐欺」は、前年比313件増の851件、被害額は同約54億円増の約143億9800万円と、統計をとり始めた前年から大幅に増えた。家族や結婚の話題などで心を揺さぶり判断力を奪う手口だという。(中嶋周平)