ロシアめぐる「スパイ事件」は過去に30件 背後に三つの諜報機関か

勤務先の営業秘密を在日ロシア通商代表部元職員に漏らしたとして、警視庁公安部は20日、工作機械メーカー元社員の30代の男を不正競争防止法違反容疑で東京地検に書類送検した。元職員は、ロシア諜報(ちょうほう)機関のスパイだと公安部はみている。 捜査関係者によると、ロシア政府の諜報機関は主に三つあるという。 旧ソ連時代のKGB(ソ連国家保安委員会)の流れをくみ、主にロシア国内で活動するFSB(ロシア連邦保安庁)、大統領直轄のSVR(ロシア対外情報庁)、軍直轄のGRU(ロシア軍参謀本部情報総局)だ。 このうち、日本国内で日本人に接触して、情報を不正に得る活動をしてきたのは、SVRとGRUが中心だという。 ■日本への入国 外交官や通商代表部職員の身分で SVRは、政治、経済、科学技術など広範囲に情報を集める一方、GRUは軍事技術や防衛分野の情報収集と工作を行うとされる。 警察庁警備局が発行する広報誌「焦点」などによると、ロシア諜報機関員の多くが、外交官や通商代表部職員などの身分で日本に入国する。 その後、日本人をエージェント(工作員)にするなどして、軍事や科学技術に関する諜報活動に従事していることが確認されているという。 日本の警察当局は、1945~2024年、ロシア人による諜報事件を計30件摘発した。ただ、外交官には不逮捕特権があるため、出頭要請に応じず、帰国してしまうケースが多い。(松田果穂)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加