カンボジアで韓国人を対象に詐欺犯罪を行っていた被疑者73人が、韓国へ強制送還される。海外犯罪被疑者の送還事例としては過去最大規模だ。 22日、韓国の警察庁・法務部・外交部・国家情報院で構成される「超国家犯罪特別対応タスクフォース(TF)」は、カンボジアを拠点に韓国人869人から総額486億ウォン(約52億円)を詐取した韓国国籍の被疑者73人を韓国国内に送還すると発表した。送還のために用意された専用機は同日午後8時45分に仁川(インチョン)国際空港を出発し、被疑者らを搭乗させた上で、23日午前9時10分に韓国に到着する予定だ。この日、姜由楨(カン・ユジョン)青瓦台(チョンワデ)報道官は「李在明(イ・ジェミョン)大統領の指示で構成された超国家犯罪特別対応TFが、あす午前、カンボジアから韓国国籍の被疑者73人を強制送還する」とし、「73人のうち70人がスキャム関連犯罪の被疑者、残る3人は人質・強盗・賭博などの被疑者だ」と説明した。 法務部は、蔚山(ウルサン)警察庁が捜査中の120億ウォン台のロマンス詐欺組織の首謀者であるK被疑者(33)、A被疑者(30)夫婦も送還対象に含まれていると確認した。2人はすでに現地で検挙されていたが、昨年10月の64人送還時には含まれていなかった。詐欺被害者らは、2人が捜査当局の追跡を避けるため整形手術を受けたとも主張している。蔚山警察庁は、夫婦が仁川空港に到着し次第、逮捕して直ちに捜査に着手する予定だ。K被疑者夫婦は2024年3月から昨年初めまで、ディープフェイク技術で架空の人物を作り、チャットアプリおよびソーシャルネットワークサービス(SNS)を通じて異性に接近した。その後、株式や仮想通貨投資を装い、約100人から120億ウォン余りをだまし取った疑いが持たれている。被害者の中には、障害者・高齢者・主婦など社会的弱者が多数含まれているとされる。被害額は1人当たり約200万ウォンから、多い場合で8億ウォン余りに達したと警察は伝えた。 今回の送還には、▶未成年を対象に性犯罪を犯した後、カンボジアに逃亡して詐欺犯罪に加担した逃亡被疑者 ▶投資専門家を装い、社会に出たばかりの社会人や退職者を対象に約194億ウォンをだまし取った詐欺組織の首謀者 ▶カンボジア犯罪団地に監禁された被害者を人質にし、韓国にいる家族を脅迫して金品を強奪した犯罪集団の構成員などが含まれている。 捜査当局はこれに先立ち、カンボジア現地警察と協力して犯罪拠点7カ所を確認し、昨年12月、カンボジアのシアヌークビル、ポイペト、モンドルキリなどの地域で犯罪組織の構成員らを摘発した。韓国政府は昨年10月、カンボジアの犯罪拠点問題が大きく論争となった当時、犯罪被疑者64人を送還した経緯がある。