《米の生物化学兵器の専門家、カイル・オルソン氏が、草野仁さん司会の情報番組『THEワイド』(日本テレビ系)で〝予告〟した地下鉄サリン事件が発生し、番組はにわかに注目された。事件の2日後、警視庁はオウム真理教の犯行と見て、強制捜査に入った》 事件後まもなく、特別番組を組みました。オルソン氏とオウム真理教「科学技術省大臣」の村井秀夫幹部(故人)と「外報部長」の上祐史浩幹部が対峙(たいじ)しました。 オルソン氏は、地下鉄サリン事件はオウム真理教のテロ行為ではないかと追及すると、村井氏と上祐氏は、疑惑は国家権力の陰謀で、われわれは被害者だと主張しました。 突然、村井氏が「私たちのプラントでは、ハステロイを使っているんですが―」と言い出しました。 その言葉をオルソン氏は聞き逃さず、こう反応しました。 「ハステロイ? それはサリンなど神経ガスを製造するときに使われる特殊合金です。それを設備に使っているのはサリンを作っていることになるんですよ」 向こうは、この外国人(オルソン氏)はたいしたことはない、と楽観していたのではないでしょうか。 村井氏は、農薬を製造するのに使っているなどと言い逃れをしようとしましたが、オルソン氏は「ハステロイは非常に高価ですから、農薬製造に使うなんて感心しますね」と追い打ちをかけました。上祐氏が割って入ってきましたが、生放送での発言は取り消せません。 しかるべき問題には専門家の知恵や知識を借りて対応できるということを改めて実感しました。 《脅迫電話に家族でホテルへ避難》 そのころ、自宅には「草野仁は放送で噓ばかり流しているので、家族ともどもサリンで殺す」などの脅迫電話が頻繁にかかってきました。どこからでも入れそうな自宅ですから心配は尽きません。 警察に連絡しましたが、「われわれも警戒しますが、草野さんも警戒してください」と言われました。警戒しろと言われてもどうすればいいのか。いろいろ考えまして、東京・永田町のホテルのマネジャーさんを存じ上げていたので、相談しました。ここは外国の芸能人も泊まるので警備はしっかりしています。 「絶対大丈夫ですから、うちに避難してください」と言われました。ありがたかったですね。事態が落ち着くまで、家族はホテルで生活しました。