神戸市中央区のマンションで20日夜、住人の片山恵さん(24)が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された会社員、谷本将志容疑者(35)=東京都新宿区=が事件2日前の朝から片山さんに目をつけ、「好みのタイプの女性だと思って後をつけ、被害者が勤務先のビルに入っていくのを確認した」との趣旨の供述をしていることが28日、捜査関係者への取材で分かった。 谷本容疑者は17日~21日の日程で休暇を取得し、17日に神戸入り。同市中央区にある片山さんの勤務先付近のホテルに宿泊していた。 谷本容疑者の逮捕容疑は20日午後7時20分ごろ、同区磯辺通の9階建てマンションで、片山さんの胸部などを刃物で複数回刺して殺害したとしている。谷本容疑者は「ナイフで腹部のあたりを1回か2回くらい刺したことに間違いありません」と供述する一方、「殺意を持っていたかは分かりません」と容疑を一部否認している。 谷本容疑者は神戸入りした17日以降、ホテルや片山さんの勤務先付近をうろつく姿が確認されていた。また、17日には同区の別の女性の後をつけ、マンションのオートロックをすり抜ける姿が確認されていた。 谷本容疑者は、片山さんが勤務先を退社した事件当日の20日午後6時半ごろから約4キロ、50分間にわたり、片山さんの後をつけていたとみられている。電車を乗り換えたり、スーパーに立ち寄ったりする間も執拗(しつよう)につけていた。午後7時20分ごろ、マンションに到着した片山さんの後を追ってすりぬけるようにオートロック式の扉を突破。直後にエレベーター内で片山さんを襲撃したとみられる。