ドイツモーターズ株価操作などの容疑を受けているキム・ゴンヒ女史(尹錫悦前大統領の妻)の一審判決が28日に下される。ミン・ジュンギ特別検察官(特検)チームが裁判にかけた計3件のキム女史事件のうち、最初の判決となる。「法の上に立っていた」という特検チームの求刑論告通り、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権で「大統領の上に立つV0」(大統領を俗にV1=VIP第1号と呼ぶことから)と呼ばれたキム女史に対し、裁判所がどのような判断を下すか注目が集まる。キム女史の一審判決は生中継される。 ソウル中央地裁刑事27部(ウ・インソン裁判長)は28日午後2時10分から、キム女史の資本市場法・政治資金法違反、特定犯罪加重処罰法上のあっせん収賄容疑事件の一審判決言い渡しを行う。特検チームはキム女史に懲役15年を求刑した。キム女史に有罪判決と懲役刑が言い渡されれば、憲政史上初の「大統領夫妻同時拘束と実刑判決」として記録される。尹錫悦前大統領には先月16日、逮捕妨害などの疑いで懲役5年が言い渡された。 まずキム女史は2010年10月~2012年12月、ドイツモーターズの株価操作に加担し、8億1000万ウォンの不正利益を得た疑いを受けている。キム女史は自身の口座を貸しただけで相場操縦の事実を知らず、むしろ利用されたと主張している。この容疑が有罪と認められれば、告発から6年たっての断罪となり、過去に嫌疑なし処分とした検察の責任論が改めて浮上する見通しだ。この事件は、尹錫悦検察総長時代の2020年4月の告発で捜査が始まった後、キム女史に対する書面調査や非公開の出張調査など総体的に不十分な捜査の末、2024年10月にソウル中央地検が嫌疑なしの処分を下した。昨年4月、別の「銭主」(資金提供者)の有罪が確定したことを受け、ソウル高検が再捜査を決定。特検チームの発足とともに全面再捜査に乗り出し、ようやく起訴に至った。 キム女史は2021年6月~2022年3月、尹前大統領と共謀し、ミョン・テギュン氏から58回にわたり2億7000万ウォン相当の世論調査結果を無償で提供され、その見返りとしてミョン氏の依頼を受け2022年地方選挙で「国民の力」の公認推薦に介入した疑いも受けている。この容疑に対する一審の判決は、同じ容疑で起訴され刑事33部(イ・ジングァン裁判長)が審理中の尹前大統領の裁判にも直接的な影響を与えるものとみられる。 キム女史は2022年4~7月、「コンジン法師」ことチョン・ソンベ氏と共謀し、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)から教団の請託とともにシャネルのバッグや靴、グラフのネックレスなど8000万ウォン(約850万円)相当の金品を受け取った疑いもある。キム女史はシャネルのバッグのみ、請託目的ではなく儀礼的な贈り物として受け取ったと主張している。 特検チームは先月3日の結審公判で、ドイツモーターズ株価操作と旧統一教会の金品収受容疑については懲役11年と罰金20億ウォン、追徴金8億1144万ウォンを、無償世論調査収受容疑については懲役4年と追徴金1億3720万ウォンをそれぞれ求刑した。特検チームは求刑論告で「大韓民国の憲法秩序の中では誰も法の上に立つことはできず、誰も法の外に存在することはできない。しかし、被告人だけは大韓民国の法の外に存在し、法の上に立っていた」と述べた。 特検チームは昨年8月29日にキム女史をこれらの容疑でまず起訴したが、キム女史はその後も旧統一教会の集団入党容疑(政党法違反)と、公職を見返りに瑞煕建設などから金品を受け取ったいわゆる「官職売買」容疑(あっせん収賄)でも起訴され、別の裁判部でそれぞれ審理を進めている。 28日には同じ裁判部で、旧統一教会の政界ロビー疑惑に関する事件も同時に判決が言い渡される。キム女史に金品を提供し「国民の力」の議員らを組織的に支援した疑いで起訴された旧統一教会のユン・ヨンホ元世界本部長と、教団側から懸案の請託とともに政治資金1億ウォンを受け取ったクォン・ソンドン議員(国民の力)の判決公判が、それぞれ午後3時と4時に開かれる。特検チームは両者に対し、それぞれ懲役4年を求刑した。旧統一教会と政界の「政教癒着」疑惑に対する司法府の初の判断という点で、いま政教癒着疑惑を捜査中の検察・警察合同捜査本部(キム・テフン本部長)の捜査にも参考資料となる見通しだ。 オ・ヨンソ記者 (お問い合わせ [email protected])