<1分で解説>伊万里母娘殺傷事件 外国人と共生目指す住民に衝撃

佐賀県伊万里市で起きた母娘殺傷事件から1週間がたちました。逮捕されたのは近くの食品加工工場で働くベトナム人技能実習生でした。外国人を積極的に受け入れて共生社会を目指してきた地元住民に衝撃が広がっています。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「伊万里市の事件と外国人共生社会」を解説します。 Q 伊万里市で事件があったんだって? A 7月26日、佐賀県伊万里市の民家で、母娘が刃物で切りつけられ、娘の椋本舞子さんが亡くなり、70代の母親もけがをしました。 Q 犯人はどんな人だったの? A 近くの食品加工工場で働くベトナム人技能実習生、ダム・ズイ・カン容疑者が強盗殺人と住居侵入容疑で逮捕されました。 Q 技能実習生ってなんだっけ。 A 技能実習生は、外国から日本に来て、工場や農業などで働きながら技術を学ぶ人たちのことです。 Q どうして事件が起きたのかな。 A ダム容疑者は「何も話したくない」と話していて、動機はまだ分かっていません。警察が調べを進めています。 Q 被害者とダム容疑者は知り合いだったの? A 椋本さんの母親は「(ダム容疑者と)面識はなかった」と話しています。 Q 事件の後、地域の人たちはどう思っているの? A 現場近くの住民は、不安や恐怖を抱いているようです。 Q 容疑者の仕事ぶりはどうだったの? A ダム容疑者は2023年12月に来日し、鶏肉処理の仕事をしていました。職場ではおとなしく、仕事への不満やトラブルも確認されていないといいます。 Q この地域は外国人が多く暮らしているの? A 人口減少が30年近く続く佐賀県では、不足する労働力を外国人が補ってきました。23年に28年ぶりに転入者が転出者を上回る「社会増」となったのも外国人増加が要因でした。地域では、外国人に日本文化に親しんでもらう取り組みも積極的に行っていたそうです。それだけに、ショックが大きいようです。 Q 外国人が増えると事件も増えるの? A 全国的にも外国人は増えています。多くの外国人は真面目に働いており、日本の労働力となっています。統計では外国人の検挙件数は減っているそうです。移民問題に詳しい専門家は「事件の動機や背景が分からない段階で、国籍や見た目で犯罪の傾向を判断するのは偏見や差別につながる」と警告しています。

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