指定薬物「エトミデート」を使用したとして、医薬品医療機器法違反の疑いでプロ野球広島の選手、羽月隆太郎容疑者(25)=広島市中区=が広島県警に逮捕された。プロ野球では昨年、違法なオンラインカジノの利用が複数の現役選手の間で確認されるなど不祥事が相次いでおり、2月1日からの春季キャンプを目前に控えて選手のモラルが問われている。 ■広島は「再発防止の取り組みを徹底」 羽月容疑者の逮捕容疑は昨年12月16日ごろ、国内でエトミデートを若干量にわたって使用したとしている。羽月容疑者は2019年、神村学園高(鹿児島)からドラフト7位で広島に入団。昨シーズンは自己最多の74試合に出場し、打率2割9分5厘、17盗塁をマークするなど、俊足が持ち味の選手として知られていた。 今回の逮捕を受け、球団は公式サイトを通じ「当球団に所属する選手が今回このような事件を起こし、ファンの皆様に多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます」と謝罪。その上で「所属選手がこの様な事件を起こしました事を大変重く受け止め、今後このような事態を招くことのないよう、再発防止に向けた取り組みを徹底してまいります」などとコメントした。 新井貴浩監督も「事実関係につきましては現在捜査中であり、詳細なコメントは差し控えさせていただきますが、チームの一員として自覚を欠いた行動であり、非常に残念な気持ちです」などとするコメントを球団を通じて発表した。 ■「ゾンビたばこ」摘発はプロ野球で初か エトミデートは海外の麻酔手術などに使われる鎮静剤で、神経の働きを抑える作用がある。過剰に摂取すると手足がけいれんする状態となることから「ゾンビたばこ」とも呼ばれている。エトミデートの使用が若年層を中心に拡大しており、日本では昨年5月に「指定薬物」として厚生労働省から規制された。プロ野球でエトミデートの使用で摘発されたケースは、羽月容疑者が初とみられる。 現役選手による違法薬物事件を巡っては、広島やロッテでプレーしたジェイ・ジャクソン投手が20年7月、「大麻リキッド」数本を所持していたとして、大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕されたケースがあった。ジャクソン投手の場合にはロッテの退団が発表された直後の逮捕だったが、現役の日本人選手が逮捕されるケースは極めて異例だ。