急増中「自動音声詐欺」で「“1”を押したら3億円」の被害 警察やNTTを装う巧妙な手口とは

日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が、本サイトで現代の時流を徹底解説。今、戸田氏が注目するのは、電話による特殊詐欺について。なんでも最近では「自動音声」を使った電話での詐欺が急増しているのだとか……。 「NTTドコモです。お客様の携帯電話は本日で利用停止されます。詳しくは1を押してください」 「社会保険事務所からのお知らせです。“1”を押してください」 こんなメッセージから始まる電話が今、日本全国で猛威を振るっています。このフレーズは、詐欺グループがターゲットをパニックに陥らせるための「嘘の口実」ですが、非常に強力な心理的効果を持っています。 最近、スマートフォンの画面に表示される自動音声ガイダンスに安易に従い、多額の現金をだまし取られる「自動音声詐欺」が深刻な社会問題となっているのをご存じでしょうか。 かつて主流だったのは人間が直接電話をかける手法でしたが、現在はコンピューターの自動音声を入り口にするケースが急増しているんです。 石川県では、この自動音声に応じた60代女性が警察官を名乗る男らから「詐欺事件の主犯を逮捕したところ、あなたの通帳が見つかった。犯罪を行っていないことを証明するため紙幣を調べる必要がある」などと言われ、暗号資産の口座を開設させられたうえで、32回にわたって現金計3億円を振り込んだという被害が出ています。 また福岡県でも、「1」を押してしまった75歳の男性が、総務省からの「あなた名義の携帯電話が特殊詐欺に使われた。あなたに逮捕状が出ている。資産を確認するため、指定の口座に金を振り込むように」と言われ、646万円を騙し取られる被害が発生。 他にも、奈良県の40代男性の元には「NTTファイナンス」をかたる自動音声がかかり、指示通りに「1」を押すと、“イシイ”と名乗るオペレーターにつながり、「1年分の未払いがあり民事裁判の手続きが進んでいる」と、約30万円を要求されたとの報道も……。 犯行グループは、総務省や経済産業省、NTT、日本郵便、さらには「警視庁遺失物センター」など、公的機関や大手企業の名前を巧みに騙ります。 恐ろしいのは、着信画面に表示される番号が、警察署でよく使われる末尾「0110」や、官公庁の代表番号に偽装されている点。これは技術的に番号を書き換える手法が悪用されており、番号を見ただけで信じ込むのは極めて危険と言わざるを得ません。

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