ビデオ通話で料理を教えてくれた母親、翌日詐欺に巻き込まれ射殺 米

(CNN) 米サウスカロライナ州コロンビア在住のマリオ・ホールさんが、母親であるロリーサ・トーランドホールさん(61)の姿を最後に見たのは、動画や音声の通話アプリ「フェイスタイム」でペッパーステーキの作り方を教わったときだった。 オハイオ州ダブリンの自宅のキッチンで、母親はコンロのそばに携帯電話を立てかけ、ホールさんがフライパンを見られるようにしていた。 「ペッパーステーキが食べたかったけれど、作り方が分からなかった。小さい頃に母がよく作ってくれていた料理の一つだった」とホールさんは先週CNNに語った。「そうしたら母が『じゃあ、フェイスタイムで一緒に作ろう』と言ってくれた」 ライスに着手するタイミングで、母は息子に「もう手伝う必要はないね」と言い、通話を終えた。それが最後の会話になった。 この翌朝、2024年3月25日、トーランドホールさんは恐ろしい詐欺に巻き込まれ、射殺された。ウーバーのドライバーをしていたトーランドホールさんは、オハイオ州サウスチャールストンに荷物を受け取りに出向いていた。家主が脅迫電話を受けていたことなど知るよしもなかった。 トーランドホールさんが窃盗のためにやってきたと思い込んだ家主は、自宅の私道で拳銃を突きつけ、後ずさりしながら命乞いをしたトーランドホールさんを射殺した。 ウィリアム・ブロック被告(83)は今週、トーランドホールさんの殺害などの罪で禁錮21年から終身刑を言い渡された。事件は、人工知能(AI)によって加速する音声詐欺の増加を反映しており、オンライン詐欺や電話詐欺がときに凶悪な結果をもたらしかねないことを物語っている。 ホールさんは涙をこらえながら、「彼女は何よりもまず母であり、そして親友でもあった」と声明を読み上げた。「この出来事は家族全員を打ち砕いただけでなく、私の心に埋めることのできない穴を残した」

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加