尊い命が奪われた火事・事故 相次いだ強盗事件 高齢女性の殺害も 山形の一年振り返る

ことし1年の山形県内ニュースをシリーズで振り返る「カメラが見つめたやまがた2024」3回目はことし相次いだ事件・事故を振り返ります。 記者リポート「(ボン!と爆発音)建物からは火が猛烈な勢いで吹き上がっています」 ことしも、県内各地で相次いだ火災。 記者リポート「酒田市浜中の民家です、激しく炎が燃え上がっています!」 大切な思い出、そして時に、尊い命を一瞬にして奪いました。 近所の人「火事当時はもうすごかった。バンバンとすごい爆発…」 5月、大江町で発生した住宅火災。4人が犠牲となりました。 「救助された女性は2階にいたのになんで私は…馬鹿だ馬鹿だと泣いていた。なんで同じ2階にいた息子を起こさなかったんだろうと…」 出火原因の特定には至っていません。 視聴者「こわい…うわああ!」 ヘリ空撮リポート「かなり広範囲で燃え広がっているように見えます。住宅が見えます!建物の屋根から炎も上がっています」 4月から5月にかけ、置賜で相次いだ山火事。南陽市の山火事は9日間にわたって燃え続け、県内で過去最大の被害にー。出火の原因は金属パイプを切る際に飛び散った、小さな火花とみられています。 専門家はー。 東京理科大学桑名一徳教授「ちょっと枯れた草はもう簡単に火が着く。そうなると中々消せない」 一方、高畠町で発生した山火事には不可解な点もー。現場周辺では4月下旬から1か月間で10件の山火事が立て続けに発生。不審火の可能性もあるとみられていますが、依然、原因は分かっていません。 一方、酒田市では住民を震撼させる事件が発生しました。 不審な人物の目撃者「火事が起こった方向から路地を下ってきた。多分男で体形はがっちりしている」 酒田市の中心市街地で相次いだ8件の不審火。複数の現場から灯油とみられる成分が検出されました。YBCのカメラは”連続放火犯”の姿を現場で捉えていました。 耐火服を着用し、悠々と現場を後にするこの男。犯行に及んでいたのは、消火活動に従事していた消防団・副分団長でした。なぜ犯行に及んだのかー。 「仕事や消防団活動の忙しさでストレスがあった。憂鬱な気分を晴らしたかった」 火災から市民の安全を守る立場の男が手を染めた、自己中心的で身勝手な犯行。裁判は現在も続けられています。 記者リポート「山形市方面から走ってきた車が対向車線にはみ出したようです」 相次いで発生した悲惨な交通事故。 白鷹町で4月、軽乗用車に乗っていた70代男性と90代女性が死亡70代男性はシートベルト未着用とみられています。 山川麻衣子アナウンサー「バスガイドの30代女性がこの電柱とバスの間に挟まれたということです」 上山市で6月、バスガイドの女性(39)が観光バスと電柱に挟まれ死亡しました。 長井市で10月、軽乗用車と大型トラックが出合い頭に衝突し、軽乗用車に乗っていた女性2人が死亡。現場の交差点は過去にも事故が多発していました。そして、警察は12日、現場近くの自動車専用道路の最高速度を70キロから60キロに引き下げました。 暮らしを脅かす凶悪事件も続発。 従業員「レジの人が厨房に入ってきて『強盗だ!』って」 県内では7月から10月にかけ、3件の強盗事件が相次ぎました。 近隣住民「この辺は65歳以上の人がだいぶ多い。こんな山奥で…」 白鷹町で9月、山間の簡易郵便局に男が押し入り、現金100万円を奪って逃走。発生から10日余り、山形市の大工の男が逮捕されました。 逮捕の2日前、会っていたという知人はー。 「ナス食わないかと聞いたらうんと言っていた。その時は何とも変わりはなかった」 勤務先が休業し、金に困っていたことが犯行の動機でした。 強盗事件は高畠町でも発生。町内の会社員の男が逮捕されました。調べに対し、「借金があり金に困っていた」などと話しているということです。 そして、9月ー。悲惨な事件は、三川町の中心部で発生しました。町役場近くの住宅で、1人暮らしの90歳の女性が寝室で死亡しているのが見つかりました。遺体には頭や顔、胸などを何度も殴ったり蹴ったり、首を絞めた痕がー。 町内アナウンス「日中でも家の戸締りをお願いします」 警察は殺人事件と断定して捜査本部を設置、犯人の行方を追いました。 近所の人「亡くなった女性は明るい人だった。ショックを受けている」「とにかく人に好かれるタイプの人。(トラブルは?)考えられない…」 現場は、閑静で夜間は人通りが少ない住宅街。警察はのべ3800人の捜査員を投入し、聞き込み調査や検問、徹底的な現場検証などを実施しました。 その結果、犯人は夜間、玄関脇の窓を割って侵入し、まっすぐ1階寝室へと向かい犯行に及んだとみられることが分かりました。また、家の中で大きく荒らされた形跡はなかったということです。 そして、事件発生から1か月半後ー。 川井伸刑事部長「本日午前11時36分、被疑者を鶴岡警察署において通常逮捕しました」 逮捕されたのは、現場から3キロほど離れた場所に住む、石川一馬容疑者(28)。犯行当時、酒を飲んでいて、被害女性と面識はありませんでした。 石川容疑者を知る人「そういうことをする子だとは思えなかった。すごく良い子で、犬の散歩をしているときも話しかけてくれる」 警察は石川容疑者の認否を明らかにせず、山形地検は11月末、殺人と住居侵入の罪で起訴しました。 一方、石川被告は犯行の数か月前、自宅近くの空き家に侵入し、80代男性が所有する通帳やクレジットカードを盗んだ疑いも浮上。12月3日に逮捕され、容疑を認めているということです。 石川被告がなぜ面識のない女性宅に侵入し、殺人に及んだのかー。事件は今後、裁判員裁判で審理されます。

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