韓国の詩人・尹東柱の獄死から81年 同志社大などで追悼の集い

韓国の詩人・尹東柱(ユンドンジュ)(1917~45)が京都に留学中、治安維持法違反の疑いで逮捕され、獄死した日から16日で81年になった。市民の手で記念碑が建てられた京都府宇治市と、尹が学んだ同志社大(京都市上京区)で追悼の集いが開かれた。 ◇ 宇治市の宇治川には、尹が逮捕直前に訪れていた縁で、市民が2017年に「記憶と和解の碑」を川岸に建てた。16日は記念碑の前でしのぶ集いがあり約30人が参加した。 クリスチャンでもあった尹の死を悼み、バリトン歌手の樋口草太郎さんが賛美歌を歌った。 主催の記念碑建立委員会は、治安維持法制定から100年目の25年に同法の問題点を学ぶ学習会を5回開いた。建立委代表の安斎育郎・立命館大名誉教授は「平和とは人が生きたいように生きられる社会。詩人として生きる道を閉ざした治安維持法は巨大な暴力装置。二度と繰り返してはならない」と訴えた。 参加者は碑に刻まれている尹の作品「新しい道」や、「生と死」「十字架」「自画像」の4編を朗読した。日本基督教団宇治教会の早瀬和人牧師が「平和を作り出す一人として生き、また来年この場で再会しましょう」と述べ、閉会した。(平岡和幸) ◇ 27歳で獄死した詩人・尹東柱の追悼式が、同志社大学今出川キャンパス(京都市上京区)で14日にあった。 尹は、日本に留学し、立教大学や同志社大で学び、ハングルで詩を書き続けた。朝鮮の独立運動に関わった疑いをかけられ、45年2月16日に福岡刑務所で亡くなった。 「星をうたう心で/生きとし生けるものをいとおしまねば/そしてわたしに与えられた道を/歩みゆかねば。」――。この日は、尹の代表作「序詩」を刻んだ詩碑の前に集った人たちが、詩を朗読し、碑に花を手向けた。 式を主催した「尹東柱を偲(しの)ぶ会」と「同志社コリア同窓会」の会長を務める朴熙均(パクヒギュン)さんは「この式が、若い人が尹の詩に触れ、その生涯や時代を知る機会になってほしい。記憶をたどることが大切だ」と話した。 同志社大は、「歴史の教訓を心に刻み、新しい時代を展望すべきである」として、2025年に、尹に名誉文化博士の学位を贈っている。(八百板一平)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加