福岡市早良区の市総合図書館で男女3人が刺されるなどした事件で、現場を目撃した人が毎日新聞の取材に応じ、「高齢男性を刺した人物が包丁を持って館内を走り、居合わせた女性も襲われた」と当時の状況を証言した。 事件は、図書館の閉館間際の19日午後7時50分ごろに発生。1階にいた来館者の高齢男性が腹を刺され、同じく来館者の女性(50)と男性警備員も首や手を切りつけられて負傷した。福岡県警は同日、現場近くで凶器とみられる包丁を所持していた福岡市早良区西新5、無職、吉井辰夫容疑者(61)=いずれも自称=を女性への殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。 取材に応じた目撃者によると、容疑者とみられる男性はまず、図書館1階の中庭近くのスペースで高齢の男性を刺した。その後、刃渡り30センチほどの包丁を右手に持ったまま走り出し、出入り口近くにあるホールの辺りで目の前にいた女性を襲撃。直後に男性警備員に取り押さえられたという。 身柄を確保された男性は白髪交じりの長髪で帽子をかぶり、サンダルのようなものを履いていた。リュックサックを背負っていたようにも見えたという。目撃者は「女性を襲う時も、確保された時も声を発することはなく、無表情だった」と振り返る。居合わせた利用者たちはおびえた様子だったといい、「自分も刺されるかと思った」と恐怖を感じたという。 県警によると、吉井容疑者は「私がしたことに間違いない」と容疑を認め、男性2人を襲ったことも認めるような供述をしている。負傷した3人と面識はないとも話しているといい、県警は詳しい経緯や動機の解明を進めている。【平川昌範、川畑岳志】