東京都品川区の東急武蔵小山駅近くで昨秋に起きた放火事件に関与したとして、警視庁が20日までに不動産会社の従業員の男(31)らを非現住建造物等放火などの疑いで逮捕したことが、捜査関係者への取材でわかった。この不動産会社は現場一帯で土地の買収に関わっていたといい、警視庁は「地上げ」のために事件を起こしたとみている。 捜査関係者によると、逮捕されたのは港区の不動産会社従業員の男と、その知人の20~30代の男ら計6人。昨年10~11月、品川区小山2丁目で、それぞれ共謀して、住宅の郵便ポストと隣接するアパート一室にガソリンをまき火をつけるなどした疑いがある。6人ともおおむね容疑を認めているという。 現場は武蔵小山駅近くの住宅街。逮捕された従業員らが勤める不動産会社は、別の都内の不動産会社からの依頼で付近の地上げに関わっていた。昨秋までに、都内の不動産会社が複数の土地を取得したが、放火された住宅が建つ土地を含め、一部の所有者との買収交渉が続いていた。 近所に住む高齢女性は「昨年冬に連続で火事があり、消防車が何台も来て怖いと思っていた」と振り返る。 女性によると、数年前からスーツ姿の男性らが周辺の家々を訪れるようになった。不動産会社による土地の取得が進み、引っ越す住民もいたが、住民が残る住宅にはスーツ姿の男性らが訪れていた。放火された住宅は、そのうちの1軒だったという。 ■住民が残る家にスーツ姿の男性らが訪問 地価は急上昇 武蔵小山駅周辺では、複数の再開発や再開発計画があり、タワーマンションが建設されるなど地価が急上昇していた。 警視庁は、逮捕された男らが放火によって、土地売却に前向きではない人に圧力をかけ、買収交渉を有利に進めようとしたとみて捜査する方針だ。(長妻昭明)