出勤後に急きょ休みをとると申請し戻らず 自作自演の強盗事件 勤務先の消防本部が謝罪

現金80万円を奪われたとする強盗事件が一変、強盗被害はうそだったとして消防分署で署長を務める男が偽計業務妨害の疑いで逮捕されました。男は容疑を認めていて、消防によりますと、犯行日は出勤直後に休みを申請し、犯行に及んでいたということです。 西村山広域行政事務組合消防本部 小泉博仁消防長「日頃から消防を信頼し支えてくださっている多くの方々に心からお詫び申し上げます」 消防職員による「うその通報」という前代未聞の事件。20日、西村山広域行政事務組合消防本部が会見を開き謝罪しました。 西村山広域行政事務組合消防本部 小泉博仁消防長「市民の生命身体を守るという極めて重大な使命を担っている。その職員が社会的信頼を損なう行為に及んだことは決して許されるものではない」 偽計業務妨害の疑いで逮捕されたのは、西村山広域行政事務組合消防本部朝日分署の署長で寒河江市柴橋の佐藤光征容疑者(54)です。 警察の調べによりますと、佐藤容疑者は18日夕方、大江町左沢にある「県朝日少年自然の家」の敷地内で、居合わせた男性に現金80万円を奪われたなどとうそを言って110番通報させて警察に検問などを行わせ、業務を妨害した疑いです。 佐藤容疑者は当初、自宅前で2人組の男に包丁のようなものを突きつけられたなどと話し、手足を縛られた状態で発見されていました。 記者リポート「寒河江市内各地では検問が行われている」「午後10時すぎ市内ではパトロールも実施」 強盗の通報を受けて、山形県警は寒河江市内や河北町などで大規模な検問を実施しました。 現場付近では翌日も検問が続けられ、周辺住民からは不安の声が上がっていました。 近所の人「まったくこういう事件はなかった。孫とかいるので買い物に出かけるときなど施錠したほうがいいのかと」 一方、佐藤容疑者の供述には不審な点もありました。佐藤容疑者は18日午前10時半に自宅前で男2人に脅され、現金80万円を奪われた後、自分の車に2人を乗せ解放されたとするまでおよそ7時間にわたって移動していたといいます。また、7時間後に解放されたとした場所は自宅から車でわずか15分ほどの大江町左沢の楯山公園付近でした。 こうした佐藤容疑者の不審な供述を受けて警察が追及したところ、佐藤容疑者はうそを認めたということです。 奪われたとされる80万円は存在せず、佐藤容疑者は手足を自分で縛ったとみられています。20日朝日町。消防職員の逮捕を受けて朝日町の住民は…。 住民「びっくりした。考えられない。一般人でなく分署長という人が…」 西村山消防本部によりますと、佐藤容疑者は2025年度で勤続35年目で、火災や救急分野の業務で隊員を取りまとめる立場にあったということです。 通報のあった18日は勤務日で午前8時半に出勤しました。しかし、30分後の午前9時に急きょ一時的な休みを取ると申請し、戻りの時間を伝えて退勤しました。しかし、時間になっても佐藤容疑者は分署に戻らなかったということです。 西村山広域行政事務組合消防本部 小泉博仁消防長「最初は被害者としてのイメージでどうなるんだろうと不安だった。逮捕も大変驚いた。自作自演での逮捕だったので。我々の仕事は通報を受けて市民の生命財産を守る仕事。そのリソースをこのような虚偽の通報で消費してしまうというのは決して許されることではない」 佐藤容疑者の普段の勤務態度に問題はなかったということです。警察は佐藤容疑者の犯行動機などについて詳しく調べる方針です。

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