交通取り締まりの不正が発覚し、2716件もの違反を取り消した神奈川県警。警察庁長官が謝罪するという異例の事態となり、反則金およそ3500万円を返還すると発表。また、警察庁と神奈川県警はあわせて24人を処分し、不正を主導した巡査部長を免職とした。しかし国民の信頼を損ないかねないのは、交通違反取締まりだけだろうか。 2022年、署で扱う遺体の搬送先として遺族に特定の葬儀会社を優先的に紹介し、葬儀会社から現金などを受け取った受託収賄罪で元警部補が執行猶予付きの有罪判決に。元警部補は公判で「私がいた6署全てであった」と発言。神奈川県内には合わせて54の警察署があるが、元警部補は「全てでやっていると思う」と語っている。 神奈川県警が非難の対象となった「やらか史」はこれだけではない。2025年5月、取り調べを終えた容疑者が川崎警察署から逃走。原因は見張り役の警察官の居眠りで、川崎警察署署長は「再発防止に努めてまいります」とコメントした。 2025年には既婚者である40代の男性巡査部長と独身の20代女性巡査が当直勤務の深夜の時間帯に、交番の休憩室で複数回性行為を行い、懲戒処分に。2020年1月、男性巡査が交番に届けられた財布の現金を横領。2021年1月、男性巡査が駅構内で女性に体液をかけ逮捕。 2024年4月には男性警部補が指定暴力団幹部の男に個人情報を流出させたとして逮捕。2024年6月には男性巡査長が交通事故に遭い、うその請求をして保険金をだまし取ろうとした疑いで逮捕。2024年11月、男性巡査長がうその委任状をつくり、70代男性の預金口座から700万円を搾取して逮捕。2025年6月、男性巡査部長が110番をうけて訪問した70代女性宅から現金を盗んだとして逮捕と、枚挙にいとまがない。 警察の不祥事をめぐっては、2025年の懲戒処分数は兵庫県警の50人に次いで神奈川県警が34人と多い。警視庁は30人。組織として最も大きいのは警視庁(職員数約4万6000人)だが、その3分の1ほどの規模である神奈川県警(約1万7000人)や兵庫県警(約1万2500人)のほうが懲戒処分人数では上回っている。 しかし、「やらかし」では済まされない事態も招いている。2012年に33歳の女性が元交際相手の男に殺害された「逗子ストーカー殺人事件」では、警察官が男に逮捕状を読み上げる際、被害女性の住まいや結婚後の名字を隠さずに伝えたことで女性の居場所がわかり、犯行におよんだとされる。 2025年4月、川崎市に住む岡崎彩咲陽さんが被告の自宅から遺体で見つかった事件では、神奈川県警の報告書によると被害者から「大げさに言った」として被害届が取り下げられ、署員らの説得にも応じなかったという。しかしその後、被害者は9回も警察に電話をかけ、祖母宅に身を寄せており「元交際相手の男がうろつく」と訴えていた。警察は見回りを行なったが不審者は見当たらず「切迫している状況ではない」と判断。相談内容も記録化せず、署長らに報告もしていなかった。 被害者の父親は「何回もストーカーで捕まえてくれと(警察に)何回も言った。事件性がないと思ったから事件性がないと会見したと、全然うそだらけ。(神奈川県警は)ここはどうしようもない。うちの娘はここで殺されたのと一緒」と、悲痛な思いを吐露。神奈川県警の和田薫本部長(当時)は会見で「被害者の女性や、その親族からの相談などに対する不適切な対応について深くお詫び申し上げます」と謝罪した。 何度深くお詫びをすれば、信頼される警察になるのだろうか。 (『ABEMA的ニュースショー』より)