栃木県上三川町で昨年10月、車の中から高校1年の女子生徒(当時15)が遺体で発見された事件で、殺人と死体遺棄などの罪に問われた埼玉県熊谷市の無職安栖(やすずみ)達也被告(29)の裁判員裁判が7日、宇都宮地裁(瀧岡俊文裁判長)で結審した。検察側は懲役28年を求刑し、弁護側は情状を考慮した量刑を求めた。判決は18日に言い渡される予定。 検察側は、被告が事件の2カ月前から「殺人逮捕まで」などと検索していたとし、「計画的で強固な殺意による犯行だ」と主張した。 一方の弁護側は、被告が情緒面に問題を抱えており、犯行は衝動的だったと訴えた。 安栖被告は最終意見陳述で「逮捕されたときより反省の気持ちが強くなった。申し訳ない」などと述べた。これまでの公判で、安栖被告は起訴内容を認め、動機について「殺意が芽生えてしまった」と述べていた。 起訴状などによると、安栖被告は2023年10月17日夜、東京都新宿区の有料駐車場に止めたレンタカーの中で、無料通信アプリで誘い出した女子生徒の首を手で締めるなどして殺害。さらに遺体を上三川町の路上で車に乗せたまま遺棄したとされる。(高橋淳)