「鬼現象が起きたのはいつ?」再犯繰り返す受刑者と対話、40代元受刑者は「捕まれば母親に会える」と…逃亡・再犯『当事者研究』で探る生きづらさの正体【罪と償い】

781人の受刑者を収容する札幌刑務所。拘禁刑の導入から間もなく10か月。今、力を入れているのが受刑者との「対話」だ。 ■「もしだめだったら死ぬしかない」 去年10月。札幌刑務所の会議室で60代のA受刑者は、出所後の不安について話し始めた。 A受刑者(60代) 「今回初めて(出所してから)全く行くところがないという。眠れない、不安で」 去年10月。札幌刑務所の会議室で出所後の不安について話す60代のA受刑者。 窃盗などの罪を繰り返し、刑務所に入ったのは今回が7回目だ。精神障害に加え、足腰が悪くて働けず、社会にいるときはグループホームなどで暮らしてきた。 しかし、今回は出所後に受け入れてくれる施設が見つからないという。 ■「双極性感情障害」で生きづらさを抱えるA受刑者 A受刑者(60代) 「双極性感情障害という病名。発症してから20年以上。(施設が)素直に受け入れてくれないのではないかという心配がある。怒鳴ったりわめいたり脅したり、色々やっていたので」 北海道医療大学 奥田かおり 講師 「それはかつて(A受刑者)さんが?」 A受刑者 「私が。自分で気づく時もあれば、気づかない時もあるんですよ」 北海道医療大学 向谷地生良 特任教授 「こうしたらいいという答えは私たちも持っていないが、一緒に考えることはできる」 A受刑者の言葉に耳を傾けているのは北海道医療大学の教授らでつくる研究チームと刑務官だ。 A受刑者 「もしだめだったら死ぬしかない」 刑務官 「自暴自棄になったらダメ、やれることがまだ時間が少ないとはいえあるから。札幌刑務所の職員も、何もないまま(A受刑者)さん外に出てもらうというのは絶対にしたくないから」 ■きょうの気分は?…A受刑者「非常に悪い」 「当事者研究」と呼ばれるこの取り組み。精神障害のある人が自分の病気の症状やそれによって起こる「生きづらさ」を周囲と一緒に研究し、社会で共に生きていく方法を探す。 北海道医療大学の向谷地生良特任教授が、2000年ごろ、北海道浦河町の精神障害者が暮らす施設「浦河べてるの家」で始めた。

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