福岡・乳児死亡、母親の無罪が確定 福岡地検が控訴断念

福岡県川崎町で2018年、生後11カ月の長女に暴行を加えて死亡させたとして傷害致死罪に問われ、福岡地裁で無罪判決を受けた母親の松本亜里沙さん(29)=同県糸田町=について、福岡地検は期限の17日までに控訴せず、無罪が確定した。地検の森博英次席検事は18日、「判決内容を慎重に精査し、控訴しないことにした」とのコメントを発表した。 松本さんの長女の笑乃(えの)ちゃんは18年7月28日正午ごろ、自宅から意識不明の状態で救急搬送され、3日後に死亡した。松本さんは22年2月に逮捕され、笑乃ちゃんの頭部に何らかの暴行を加えて死亡させたとして起訴された。否認を続けた松本さんの勾留期間は25年8月まで約3年半に及んだ。 これに対し福岡地裁の裁判員裁判は今月3日の判決で、てんかんを患う松本さんが長女を抱いた状態で発作を起こし転倒した可能性も十分にあり得ると判断し、無罪を言い渡していた。 無罪確定を受け、松本さんの弁護団は「科学的裏付けを欠く医学的見解に依拠して逮捕・起訴され、長期にわたり身柄を拘束された。個人や家族の人生が奪われ、決して看過されてはならない」などとする声明を発表。「虐待による乳幼児頭部外傷(AHT)」を巡る医学的検証は不十分で、状況を改めなければ「同様の構図の冤罪(えんざい)が今後も生み出され続ける」と指摘し、警察や検察に慎重な捜査を強く求めた。【森永亨】

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