「ようやくスタートライン」5年後の起訴に遺族が思いを吐露 東京・国立妻殺人事件

東京・国立で令和2年11月、妻を殺害したとして逮捕された高張潤被告(49)が今月17日、釈放から約5年を経て殺人罪で起訴されたことを受け、亡くなった麻夏さん=当時(41)=の母親が23日、報道関係者の取材に応じ、「ようやくスタートラインにたどり着いた」と胸中を明かした。 4人きょうだいの2人目、長女として育った麻夏さんは、母親が経営するコンビニエンスストアの店長を務めるなど「何事にも一生懸命で、しっかり者だった」という。一方、被告について母親は、「どちらかというとおとなしい人間」との印象を抱いていた。 2人の間には結婚後間もなく女の子が生まれ、現場となった都営アパートの一室に引っ越した。ただ、母親によると被告は借金を抱えるなどし、生活費などを巡り夫婦げんかになることも多かったという。 仕事と育児の両立に没頭しているように見えた麻夏さんの死は、突然だった。事件後、母親が、麻夏さんが転落したベランダに花や線香を供えようとすると、被告は拒否し、「麻夏のことはもう済んだことだから」と吐き捨てたという。 ■捜査継続を要望 被告が逮捕時、警視庁の調べに、麻夏さんが育児ノイローゼだったと説明したことについて、母親は「子供が生まれたことに対して喜んでいたし、そんなのは絶対嘘だ」と断言する。警視庁の捜査員らに「自殺はありえない。時間はいくらかかってもよい」と伝え、真相究明を求めてきた。 1週間ほど前、警視庁から被告が殺人罪で起訴されたという連絡を受けた。安堵(あんど)と同時に「責任を取って(娘を)返してほしい」と怒りもこみ上げたという。その日に、捜査員らと麻夏さんが眠る墓前に起訴を報告した。「どうして事件を起こしてしまったかを聞きたい」。公判で被告の口から真相が語られることを望んでいる。 事件後、成長を見守ってきた孫娘は、この春、小学生になる。この5年、どんなに忙しい時でも毎日墓を訪れ手を合わせてきた。取材に応じたこの日も墓前で線香を手向け、「やっとこれからだね。私にできることはあまりないけど頑張ろう」と麻夏さんに呼び掛けたという。 ◇

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