3月26日の夜、池袋でアミューズメント施設店員の21歳の女性が、26歳の男に刺殺されたニュースがSNSでも飛び交った。女性は以前より警察にストーカー被害を相談しており、男はこれまでもストーカー規制法違反容疑などで逮捕、いずれも略式起訴され、罰金を納めて釈放されていた。 警視庁は容疑者に禁止命令を出す一方で、女性にも避難や勤務先の変更を助言し、女性もまた、2月上旬まで遠方の親類宅に避難していた。だがこの施設での仕事は、女性にとって「夢だった」と、自宅に戻り、再開していたという。 恋愛から交際が始まり、その後別れることはレアなことではない。だが、時に別れた相手に執着し、相手や周囲への迷惑を顧みずにつきまとい、犯罪にまで発展してしまうことがある。 相談を受けた警察は、加害者にカウンセリングを受けるようになど働きかけ、女性にも異常がないか聞くなどの連絡を入れていたというが、現実的に24時間体制で張り付くように守ることは難しいだろう。 こうなると、罪のない被害者側が仕事を諦め、住み慣れた地を離れるしかないということなのか。 大切な仕事を諦め、遠方に避難すれば、経済的な問題も出てくるだろう。そんな負担をなぜ被害者側が背負わなければならないのかと理不尽さに怒りがこみあげる。被害者の方のご冥福を、心よりお祈り申し上げたい。 池袋の被害者の方ほどひどいストーカー行為ではないにせよ、元パートナーとの間に危機を感じて警察にも相談し、まったくの新天地に避難せざるをえなかった女性がいる。 2026年3月、53歳でメキシコ料理店「IZU TACOS」を開業した今泉麻季さんだ。 19歳での結婚・出産、二度の離婚、4人の子育てと仕事を両立しながら、焼鳥店、クラブ、金融機関、税理士事務所などで懸命に働いてきた。 前編「19歳で出産、2度の離婚、4人の子持ちで焼鳥店、クラブ、税理士事務所等で働く女性が50歳で叶えた夢」では、周囲に支えられながらも数々の困難を乗り越え、長年抱き続けてきた「自分の店を持つ」という夢をついに実現するまでの半生をたどった。 だが自宅を売ったお金でオープンさせた焼鳥店はなかなか儲けが出ない。一緒に始めたハワイアンレストランも半年ほどで料理担当の親戚が辞めてしまい、他業種に転換することに。 そんな頃、店にひとりの男性が現れた。この男性が今泉さんの運命を大きく変えることになる。 後編では、なぜ伊豆の地で未経験のメキシコ料理に挑戦することになったのか。その転機の背景と、50代から新たな一歩を踏み出す原動力に迫る。