京都・南丹市の山林で行方不明となっていた男子児童の遺体が見つかった事件で逮捕された父親の新たな供述が判明。 (安達 優季 容疑者) 『首を絞めて殺した』 3月23日朝から4月13日までの間に、息子の結希くんの遺体を山林など数か所に運び遺棄した疑いが持たれている父親の安達優季容疑者。16日未明に逮捕されてから犯行の様子が分かってきました。 捜査関係者によりますと、安達容疑者が、車で結希くんと小学校まで一緒に行った後、南丹市内の別の場所に連れて行って殺害したという趣旨の供述をしていることが明らかに。 遺体が見つかったのは、結希くんが通っていた学校から約2キロ離れた山林。安達容疑者のスマートフォンのアプリを解析して得られた位置情報の履歴などが発見につながっていたといいます。警察は、17日、安達容疑者の乗っていた車を押収し、更に詳しい調べが進められています。 (安達 優季 容疑者) 『私がやったことに間違いありません』 死体遺棄容疑を認めている安達容疑者。安達容疑者は、当初、亡くなった結希くんについて、車で学校に送り届けた後に行方不明になったと、警察に話していました。 父親の優季容疑者は、どんな人物なのでしょうか。注目したのは、結希くんについての情報提供を求める張り紙。警察によりますと、これを作ったのは結希くんの両親。つまり、父親の優季容疑者も作成したということです。 (情報提供求める張り紙 文面) 『情報提供のお願い』『安達結希くん、小学5年生が行方不明となっています』 張り紙には、結希くんの顔写真に加え、行方不明当日に身につけていた、フリースやズボン、靴などの写真が使われ、丁寧に作られていることがわかります。 (情報提供求める張り紙 文面) 『3月23日(月)、午前8時頃 園部小学校近くまで家族が車で送り、その後、行方が分かりません』 結希くんの遺体が見つかる前の4月9日。この張り紙を受け取った人を取材していました。 (張り紙を受け取った人) 「(3月)24日に持ってこられたときに『知りませんか』と言われたときに、よく分からなくて、『見てないです』って言って」 行方不明となった次の日に、すでに作成されていた張り紙。持ってきたのは父親ではない別の男性だったと言います。そして、約一週間後。 (張り紙を受け取った人) 「(3月)31日の昼頃、男の人が貼ってくださいって持ってこられました」 その、人物は誰だったのか。改めて聞いてみると。 (張り紙を受け取った人) 「後から思ったらお父さん(優季容疑者)だったかなと思います。メガネをかけていたので、テレビで見た顔と一緒だったので。すごく落ち着いていたように思います慌てる様子もなかった」 父親の優季容疑者が、張り紙を配っていたのでしょうか。 同じ日に、張り紙を受け取っていた別の女性は。 (張り紙を受け取った人) Q.どなたが持ってきた? 「男性の方が持ってこられました」 Q.いつごろ? 「3月31日です。メガネかけられてた中肉中背な感じの人。「目立つところに貼りましょうか」って声かけさせてもらった時の反応が、あまりにも関心なさそうだったんで、そこは違和感があった」 そして、この女性も、張り紙を持ってきた男性について。 (張り紙を受け取った人) 「テレビで、ニュースで。初めて、この人(優季容疑者)やったんやって知りました。どういう気持ちで、つもりでチラシ持ってきて、貼ってくれって言ったのかと思うと、腹も立つ」 優季容疑者を知る人によりますと、出身は京都市内。7年前には、別の人と結婚をしていたという優季容疑者。結希くんの母親とは仲が良かったといいます。また、真面目で人付き合いのよい好青年で、トラブルを起こすようなことはなかったとしていて、積極的に新しいことを取り入れるような人物だったということです。 (優季容疑者を知る人) 「私の知っている優季くんは、そういうことをするような子では本当になかったので本当にびっくりしました」 一方、優季容疑者の学生時代を知る人は。 (優季容疑者の学生時代を知る人) 「優しかった。明るいし楽しい人」 Q.友達も多かった? 「嫌われる要素がない。嫌みがないし、楽しいことが好きだし」 安達容疑者は「一人でやった」という趣旨の供述をしていて、共犯者の存在は分かりません。警察は殺人容疑も視野に入れ調べる方針です。 (スタジオ) (徳増 ないる アナウンサー) 今回の事件、まだまだ謎が多く存在しますが、その疑問点を、元兵庫県警・刑事部長の棚瀬誠氏にも聞きました。 息子の遺体を遺棄した疑いで逮捕された安達優季容疑者。警察はいつからマークしていたのでしょうか。 元兵庫県警・刑事部長の棚瀬誠氏は、警察は早い段階から安達容疑者のある行動に対する“違和感”があったのではないかと指摘します。 (元兵庫県警 刑事部長 棚瀬 誠 氏) 「まず一番最初に学校に連れて行ったあと、学校側から『登校してませんよ』という連絡がご家族にいったのが午前11時半で、その20分後。午前11時50分に安達容疑者が警察に行方不明の届け出をすると。このすぐ行方不明の届け出というのは、私としては違和感がありました。一通り心当たりを探してもなお、夜になっても出てこない、これは危ないぞとなって通報されると。実際の経験でもそういったのが多かったものでして、学校から不登校ですよと言われた瞬間に『はい行方不明です』というのは最初から違和感がありました。この違和感というのが、防犯カメラの映像を目撃証言が無いというところで、ますます違和感が高まり。そういう印象を持っているというのは相当程度早いタイミングから、警察は認識していたと思います」 さらに、遺体を複数回移動しているとみられることについては…。 (元兵庫県警 刑事部長 棚瀬 誠 氏) 「私も兵庫県警にいた時に、ご遺体の遺棄場所を一度移動したという事件の捜査をしたことがあります。一回目の遺棄場所は原っぱに穴を掘って埋めたものなんですけど。もっとわかりにくい場所に隠そうといって山にということになるが、こういった経験があります。これに照らすと、ここに置いておくと近隣住民なり警察なりにバレてしまうだろうと思ってご遺体を移動したということは考えられるが、複数回というのと、複数回、本当に同じ理由なのかという点については、私も疑問がありまして、この点は、今後、捜査で明らかになっていくと思います」 一方、警察は殺人容疑も視野に入れ慎重に調べる方針で、今後の捜査のポイントを聞いてみると…。 (元兵庫県警 刑事部長 棚瀬 誠 氏) 「まず一番大事なのは、どこで亡くなったのか。ご遺体の亡くなった場所はどこなのか。本件が難しいのは、複数移動して、遺棄をしていることなので、本当に損傷したご遺体を一人で運べたのか。共犯者がいるんじゃないのかという点に行き着く訳ですが、複数回の移動の目的、動機と、どういうルートでどういう手段で移動したのかを調べをしていくと、おのずと一人でできたのか、共犯者がいるのかというのは見えてくると思います」 尊い命が奪われた今回の事件。もしも現場周辺に複数台の防犯カメラがあれば、捜査の進展に違いはあったのでしょうか。 (元兵庫県警 刑事部長 棚瀬 誠 氏) 「防犯カメラが増えていくと、これは結果的に捜査に活用できるという面と、そういう環境にあれば犯罪がしにくい場所ということになるので、犯罪が起きにくくなるとすると防犯にとっては非常に効果が高いので、こういった不幸な事件ではあるが、こういった事件を契機に防犯カメラの設置というのが、公共機関もそうですし、自宅にも普及していくと、より犯罪が起きにくい環境になるのではと思います」 今回の事件は家庭内で起きたとみられ、学校の防犯カメラが悲劇を防げたとは言えません。それでも、行方不明の経過を追う中で、「学校にはどれだけカメラがあり、どこまで子どもたちを見守れていたのか」が注目されました。 全国では、今、学校への防犯カメラ設置はどこまで進んでいるのでしょうか。文部科学省による2023年の調査では、全国の学校での防犯カメラの設置率は64.6%。6割を超えてはいるものの、すべての学校に行き届いているとは言えないのが現状です。一方で、静岡県内での状況は…?藤枝市のケースを聞いてみると…。 (藤枝市教育委員会 教育政策課 金原 雅之 課長) 「藤枝市では、小中学校27校全学校に防犯カメラを設置している」 基本的には正面玄関に設置されているとのことですが、今回の事件を受けて必要であれば、さらなる増設もしていきたいということです。そして、子どもたちを守るために、行政、学校、保護者、さらに地域の人たちの協力が欠かせないといいます。 (藤枝市教育委員会 教育政策課 金原 雅之 課長) 「約2000人ぐらいのボランティアがいて、登下校のところを見守っている。この4者が協力をしながら子どもたちの登下校の安全を守っていることが非常に大きい」 (スタジオ解説) (徳増 ないる アナウンサー) ここからは、さまざまな事件を担当してきた若狭さんにもお話をうかがっていきます。若狭さん、今回は父親が子どもをあやめたということも供述をしていますが、こうした家庭内で起きた事件、同様の事件のご経験はありますか。 (コメンテーター 若狭 勝 弁護士) はい。いろいろなパターンの捜査、ないし捜査指揮をしているんですけれど、この親族間のこうした殺人事件と思われるものって、かなり全体の殺人事件の半分ぐらいを占めている。 (レギュラー コメンテーター 津川 祥吾 氏) そんなにあるんですか。 (コメンテーター 若狭 勝 弁護士) 多いんですよ。それは結局、家族間なので、日ごろ家の中で顔を合わせますよね。最初は違和感を感じて、言葉に違和感を感じて、そのうちだんだん嫌悪感に変わっていくと。嫌悪感がどんどん募ってくると、今度は憎しみみたいな形で募ってくると。だから愛情が根底にあるのが、どんどん心理的な変化で、最後は憎しみ、そして殺意というのにどんどん変わっていく。そういう環境が家庭内の場合はよくあるということだと思うんです。 (徳増 ないる アナウンサー) 家庭内ですと、なかなか外からは分かりにくい面があると思いますが、それでもとても不思議だなと思うのがこちらです。父親の安達容疑者について、周辺の方に聞いたところ、嫌われる要素がないですとか、真面目でとても優しい人だというお話が多かったんです。こうした方がなぜ自分の子をあやめてしまうのか、本当に不可解なんですが。 (コメンテーター 若狭 勝 弁護士) 殺人事件(の捜査)をやっていて、周りの人に聞くと、こういう形で本当に真面目で優しいという評価をする人、ケースというのは結構あるんですよ。殺人事件って大きく分けて、二通りあるんですけれど。 一つは、いつも劇場的な性格で、何かあるとすぐにそういう事件を起こしそうな人というのもいますし、そうではなくて、やっぱりこういう形で真面目で優しいという人もいる。ただ、家族間の場合は、真面目で優しいがために、それの中で心理的に何かが募ってくると、どんどん増幅していくということがあり得るので、こういう評価というのはあり得る話だと思います。 (徳増 ないる アナウンサー) 検事の目から見ると、どの辺りからこの父親が怪しいのではないかと感じましたか? (コメンテーター 若狭 勝 弁護士) これは多分、殺人事件の捜査をしている人が、誰でも、最初に父親が怪しいんじゃないかと思うと思うんですよね。ただ、それは公には当然言えないことですし、それで決めてかかってはいけないものなので。ただ、警察は、少なくとも、その観点で捜査を鋭意進めていたと思いますし、もともと捜査というのは、疑うことから始めるんですよ。だから、その一つとして、疑いの一つとして、父親というのにフォーカスしていたということは、まず間違いないと思います。 (徳増 ないる アナウンサー) 今回、さまざまな事実が出てきてはいますけれども、今後、どのような物的な証拠を証言内容と突き合わせて、捜査が進んでいくんでしょうか? (コメンテーター 若狭 勝 弁護士) 恐らく死体遺棄で起訴されるなどして、その後、殺人で再逮捕される可能性があると思うんですが。殺人で再逮捕されると、殺人罪で起訴される可能性が出てくると思うんですが、その際に大事なのは、いつ、どこで首を絞めるなどして殺害したのかという…特定の問題なんですよね。いつ、どこでというのを、恐らく、車を、今回押収したので、相当、宝の山みたいな形になるんですよ。車の中の…要するにカーナビとか、ドラレコとか、あるいは失禁痕とかね、痕跡が結構あるので、そういうもの。それから車のタイヤに、溝に、土やなにかが、微物検査をすると…、どこに行った時の土が付着したのかとか、そういうような、かなり科学的、客観的に捜査をしていて…、例えば、カーナビとかドラレコやなにかでも、どこでどのぐらい時間を止めているかとかね。…ということで、場所、殺害の場所と時期というのが特定されていく可能性というのはあると思います。 (徳増 ないる アナウンサー) はい。そして今後、父親への、その…量刑というのは、どのくらいになりそうですか? (コメンテーター 若狭 勝 弁護士) 親族間の場合って、一般の殺人事件より量刑は低めなんですけれど、それでも最近は重くなってきて、まあ、拘禁刑の20年前後ぐらいが多いと思うんですけれど、ただ今回の場合は、やはりこれだけ…11歳の子ども、しかも親という立場で殺害し、しかもその後の行動が、非常に人間性としてどうなのかというところがある。というようなことからすると、結構重い量刑が下される可能性はあると思います。 (徳増 ないる アナウンサー) はい。本当に悲しい事件です。親子の間で一体何があったのか、その詳細はこれから明らかになっていくと思いますが、このような悲しい事件を繰り返さないためにも、私たちも、この周りの小さなサインなどに気づける目を、持っていた方がいいのかなと感じています。