【解説】京都小学生行方不明でデマ情報相次ぎ拡散 無関係の施設が風評被害 専門家「不安が臆測や誤情報に」「複数の報道で確認を」

京都・南丹市の死体遺棄事件で11歳の安達結希さんが遺体で見つかり、捜査が続けられる中、SNSなどでは不正確な情報、いわゆるデマ情報が相次いだ件について考えていきます。 なぜ、デマ情報は拡散されたのでしょうか。 まずはどのようなデマだったのか中身から見ていきます。 安宅晃樹キャスター: 逮捕された安達容疑者は日本国籍ですが、4月15日に台湾の一部のテレビ局が「逮捕された養父は中国人か」と、このように報道しました。 その2日後の17日に、この情報が誤りだったとして謝罪しました。なぜこの誤報が起こったのかという理由ですが、「日本の一部メディアが『少年の養父は中国人か』と報じた内容がSNSで拡散されていたため」と、このように説明しているとのことです。イット!が実際に日本メディアの記事を調べてみたところ、そのような記事はそもそも報じられていなかったのです。つまり、SNS上で広まっていたデマを信じて報じてしまったという背景があるということです。 山崎夕貴キャスター: こういったことを受けて大手メディアが謝罪する事態となりましたが、再発防止などはどのようにするのでしょうか。 安宅晃樹キャスター: その点、台湾のテレビ局は非常に重く受け止めているようで、「内部の監督体制を強化し、ニュースの検証プロセスを徹底する」としています。これだけでなく、さらにSNS上では他にもデマがありました。安達容疑者が南丹市にある有害鳥獣を処理する市の施設の職員だったというデマ情報も広がったわけです。実際にこの施設を名指しするような形で、施設で処理されたら遺体も証拠も出てこないだろう、といった投稿がされ、実際にこの投稿は1830万回以上表示されています。 実際にイット!で施設を運営する南丹市に取材をしたところ、施設は、市が地元の猟友会に業務委託をして運営しているということで常駐する職員はいないと。SNSの情報というのは全くの虚偽です、とこのように説明しています。ただ、やはり影響も出ているのです。 施設には、安達容疑者が逮捕される前の13日月曜日から、父親とこの施設の関係性についての問い合わせが急増していて、実際に業務に支障が出ているといいます。さらに、SNSでは風評被害や誹謗(ひぼう)中傷などもあったというわけです。市の担当者はこのデマ情報に憤りを感じていて、SNSで拡散されたこの風評被害などが今後、再び掘り起こされたら、そういうことに対しての不安というものを語っていました。 三宅正治キャスター: 僕の知人もSNSでこの施設のことを見たと言っていましたけども、それを信じてしまうことと拡散してしまうことというのは別問題だと思うんですよね。どういう気持ちでこれを拡散したのか分からないですけれども、実際に影響を受けている人がいるわけですから、この事態は重く受け止めてほしいなと思いますけどね。 山崎夕貴キャスター: あとは、安達容疑者の年齢に関しても誤った情報が出ているという印象がありますよね。実際には37歳ですけれども24歳という情報も見たのですが、こういったデマは何で拡散されてしまうのでしょうか。 安宅晃樹キャスター: 社会心理に詳しい筑波大学の原田教授に伺いました。 今回のような子供の行方不明といったような事案では、心配のあまり不安や怒りの感情が湧く一方で、その感情が行き場を失うと、誤情報ですとか、臆測に飛びつきやすくなる心理があるそうです。そういった心理の隙を突いて再生回数目的でのデマを投稿をする人も多くなって、誤った情報がどんどん拡散していくということです。 榎並大二郎キャスター: 再生回数目的は言語道断ですが、自分で何か納得できるストーリーに寄っていってしまうという心理は分かる気もしてしまうところですね。 安宅晃樹キャスター: そういった時にどういうふうに我々が気を付ければいいのかというところなのですが、原田教授は、「不可解な事件はそういった情報に飛びつきやすくなるという心理が働くことをまずはきちんと知っておく」と指摘しています。 そして、情報源に関してはひとつに頼らず、複数の報道でどのように報じられているのかをきちんと確認することが大切だと指摘していました。 榎並大二郎キャスター: 特にこうした有事の時には善意で拡散してしまうという、そうしたケースもあるかと思いますが、そんな時こそ一度、立ち止まって見るということが大事だということです。

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