ボスの住居は4階建て、プールに高級車 中国系犯罪集団、フィリピンに“閉鎖都市”

フィリピンのドゥテルテ前政権が2016年に営業免許を与え、各地で勢いづいた中国人向けオンライン賭博施設で、中国系犯罪集団が中国人らを監禁し、組織的詐欺を強要していた実態が明らかになった。当局の捜査で“閉鎖都市”に君臨する中国系ボスの豪勢な暮らしや地元市長の関与も判明。フィリピン国民に反感が広がっている。(共同通信マニラ支局=佐々木健) ▽ノルマと拷問 北部ルソン島バンバン市。牛が群れる草地の向こうに、30棟以上のビルがそびえたっていた。「仕事のため都市に入ったら、外出は許されない」とバンバン警察署のジェシー・ドミンゴ署長が説明した。塀に囲まれた敷地内に案内されると、飲食店街や運動場が目に入った。外出せずに済むよう診療所もつくられ、監視カメラが至る所に設置されていたという。 7階建てアパートの階段を上り、ロマンス詐欺などに使われたという大部屋を見せてもらった。春節の飾りの下、机から撤去されたモニターが脇にずらりと並んでいる。

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