やんちゃなバイクで爆音が…福生ハンマー事件で高林容疑者を凶行に駆り立てた“地域特有”の問題

逮捕から2週間が経ったが……。 東京都福生市の路上で4月29日早朝、男子高校生ら7人のグループにハンマーで襲いかかるなどして逃走していた職業不詳・高林輝行容疑者(44)。警視庁による全国公開指名手配から3日後の5月1日午後、潜伏先の千葉県習志野市内のアパートで身柄が確保され、殺人未遂の疑いで逮捕された。 凄惨な事件から一転、容疑者の逮捕によって事態は収束に向かうかと思われた。 しかし、高林容疑者が連行されたあとの福生市の現場周辺をあらためて取材してみると、事件の一方的な加害・被害という枠組みでは語りきれない、この地域が抱える根深い歪みが浮き彫りになってくる。 高林容疑者の逮捕時、こんな光景があった。 5月1日夕方、高林容疑者の身柄が確保されたことを受け、福生市の自宅前では母親が報道陣の囲み取材に応じた。これまで逃走を続ける息子の出頭を願っていた母は、憔悴した表情で報道陣の前に立った。 「安心いたしました。ありがたいと思います。安心、ありがたいというのは、人に迷惑をかけたり、嫌な思いをさせたり、人にけがをさせたりしないで済んだということについて感謝いたします」 母が言葉を絞り出すその最中、福生市の防災行政無線からは、容疑者逮捕を知らせるアナウンスが響き渡った。 「(放送を聞くのは)つらいです。ものすごくつらいです。彼自身の人生で、これがマイナスの結果にならないように、いい方向のきっかけになるようにと思います。これからは、人のために尽くすような、そういう真っ当な人生を送れるようになったらいいなと思いました」 深々と頭を下げる母。しかし、その静寂を切り裂いたのは、地元の“やんちゃ”な少年たちが乗る車やバイクの轟音だった。 現場にいた全国紙記者は、当時の異様な光景をこう振り返る。 「母親が涙ながらに謝罪の言葉を述べているすぐ脇を、数台の車が『ブォォォ』とマフラーの爆音を響かせながら通り過ぎていきました。車内からは少年らが身を乗り出し、『犯人! 逮捕!』と大声で囃し立てていた。その光景は、異様なものでした」 高林容疑者が犯行に及んだ背景には、自宅前にたむろする若者グループの騒音への強い不満があったとされる。現場周辺を取材すると、近隣店舗や住民が長年抱えてきた、少年たちの傍若無人な振る舞いへのストレスが噴出した。

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