【死刑囚の弁護士たち】元少年は40歳をすぎて立派な体格に…「光市母子殺害事件」弁護人が語る“葛藤”「弁護士といえど、人間です」

連載企画「死刑囚の弁護士たち~なぜ“殺人犯”を守るのか~」第6回は、前編〈「魔界転生」「ドラえもん」…鬼畜弁護団と呼ばれた「光市母子殺害事件」弁護人が明かす“荒唐無稽な主張”の真意〉に続き、1999年の光市母子殺害事件を担当した足立修一弁護士(67)に話を聞く。犯行当時18歳の殺人罪に死刑を適用すべきか。司法の判断は分かれ、社会にも大論争を巻き起こした裁判を経て、足立弁護士には今もぬぐえない“葛藤”があるという。 * * * ≪99年4月、山口県光市の会社員・本村洋さん宅に侵入した元少年(当時18)は、妻・弥生さん(当時23)と生後11カ月の長女・夕夏ちゃんを手にかけた。殺人や強姦致死などの罪に問われるなか、弁護団は「殺意はなかった」と主張を一転。差し戻し控訴審では、「弥生さんを強姦したのは、小説『魔界転生』の記述から思い立った “復活の儀式”で蘇生しようとしたから」といった元少年の証言を紹介し、世論のバッシングは苛烈を極めた。07年5月29日、日本弁護士連合会に銃弾の模造品が郵送で届き、「元少年を死刑にできないならば弁護人らを銃で処刑する」という趣旨の脅迫文書も同封されていた≫ 弁護士というのは、世間から後ろ指をさされる人を守る仕事だから、ある程度バッシングを受けるのは仕方ないと思います。でも、光市事件については度を越していました。大きなきっかけは、テレビ番組(07年5月27日放送の「たかじんのそこまで言って委員会」)に出演した橋下徹弁護士が、「あの弁護団に対してもし許せないと思うんだったら、一斉に弁護士会に対して懲戒請求をかけてもらいたい」と呼びかけたことです。この発言を機に、各弁護士の所属弁護士会宛に大量の懲戒請求が届きました。 差し戻し審において、これまでの審理における事実誤認を指摘して新たな主張をすることは法律上認められています。弁護士の橋下さんがそれを知らないはずがないのに、世間の怒りをたきつけて扇動したことは許しがたい。私も、頼んでもいない品物が事務所に着払いで届く嫌がらせに何度も遭いました。そんなことではへこたれませんでしたが。

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