「物言えぬ動物たちを救う」「行き場を失った犬たちを保護」 立派な理念を掲げていたはずの動物愛護団体代表が、おびただしい数の死骸と悪臭が充満する密室で、犬や猫を飼い殺しにしていた。 ’26年5月22日、動物愛護法違反(虐待)の疑いで警視庁に逮捕されたのは、一般社団法人『保護犬猫の家 ななちゃんのおうち』代表理事の丸ノ内留実容疑者(47)だ。「劣悪な環境で飼育してしまったことは反省している」と供述する一方、「すぐに病院に連れて行く必要はなかった」と自らの経験を根拠に容疑の一部を否認している。 動物愛護団体の活動拠点と聞けば、清潔な環境で動物たちが新しい家族を待つ場所を思い浮かべるだろう。だが、品川区にある丸ノ内容疑者の自宅は、そんな常識とはかけ離れた異様な空間だった。 捜査員が踏み込むと、家の中には犬猫の死体や汚物が至るところに放置され、「足の踏み場もなかった」という。室内のアンモニア濃度は、悪臭防止法の基準(1ppm)を大幅に上回る「133ppm」。人の健康にも害を及ぼすレベルだ。 そして何より捜査員を驚かせたのは、室内に転がっていた、少なくとも30匹以上の犬猫の骨と死骸だった。十分な餌を与えられていなかったのか、生き残っていた犬猫が死骸を食べたとみられる痕跡まで残っていた。 保護された39匹のうち半数は目などに病気を抱えていたが、適切な治療は受けていなかった。糞が堆積して乾燥し、チリやホコリとなって舞い上がることで目に付着し、角膜が傷つくのだという。丸ノ内容疑者は、 「火葬費用が高くて、死骸を放置してしまった」「トイレを設置しても壊されて、片付けるのがばかばかしくなった」 などと供述しているという。命を救うはずの場所が、なぜこれほどの惨状に変わり果てたのか。 丸ノ内容疑者は「最大で70匹を同時に飼っていた」と供述しており、個人の手に負える範囲を超えた「多頭飼育崩壊」に陥っていたのは明らかだ。 「供述によると、状況を悪化させた一因は、最も身近な協力者だった息子の離脱だったと本人は思っているようです。丸ノ内容疑者は車の運転ができません。犬を保護しに行くときは、同居していた息子に運転を頼んでいたといいます。警察の調べに対し、『息子が家を出て、自分一人で世話をすることになった』と話しています。保護した犬に手を噛まれるトラブルが何度か重なり、息子が手伝いに嫌気が差し、家を出てしまったようです」(全国紙社会部記者)