巨人・戸郷翔征が2勝目 阿部前監督へ思い「テレビで見ていると思うし、やっぱりジャイアンツが勝つことが一番うれしいこと」

◆日本生命セ・パ交流戦 2026 巨人5―1ソフトバンク(27日・東京ドーム) 巨人・戸郷翔征投手(26)がソフトバンク打線を相手に7回で7安打4四死球ながら1失点と粘投し、チームの連敗を5で止めた。阿部前監督の辞任後、2試合目の指揮となった橋上秀樹監督代行(60)は、ともに37歳の坂本、丸を今季初めて同時にスタメン起用。先発野手8人の平均が32歳の経験豊富なオーダーで臨み、3回に6安打5得点で逆転し、就任初勝利をつかんだ。貯金を再び2とし、28日の第3戦で3カードぶりの勝ち越しを狙う。 戸郷がそしてファンが待ち望んでいるエースとしての姿を取り戻してきた。東京DのG党が祈るように見つめる中、バットが空を切ると、大歓声を浴びながら思わず笑みがこぼれた。5―1の6回、2死一塁で代打・山川にフルカウントからの6球目、147キロ直球で空振り三振。「約2年間苦しい投球が続きましたけど、この声援のおかげで戦えている」。歓声を浴びながら口元をようやく緩め、ベンチへ歩を進めた。 7回、今季最多117球、7安打1失点で今季初勝利から2連勝。本拠地では今季初のお立ち台で「苦しい展開が続いていましたけど、ジャイアンツはここで終わるわけにはいかないですし、前を向いていかないといけないので、何とか勝ててよかったです」と晴れやかに笑った。不振にあえいでいた背番号20が、チームの連敗を止めた。 泥臭く、粘り抜いた。3回に2死一、三塁で山本恵に先制の右前適時打を許したが、毎回走者を出しながらも長打は1本も許さず最少失点でとどめた。最速149キロの直球に得意のフォークもキレが戻り6K。「投球のテンポや(ボールの)高さがよかったのがつながった。大城さんがうまくリードしてくれた」。一挙5点を奪った3回には4―1の1死満塁から右前へ24年8月8日の広島戦(東京D)以来、約2年ぶりとなる適時打も放った。 苦しいチームを救った。長女に対する暴行の疑いで逮捕された阿部前監督の辞任が登板前日の26日に発表された。監督就任1年目に初の開幕投手に抜てきしてもらい、リーグ優勝。昨年2度の2軍降格も経験しながら起用してもらった。指揮官と突然の別れとなったが、やるべきことは変わらない。今こそ「チームが団結するとき」だと前を向き、マウンドに立った。「(阿部前)監督も、テレビで見ていると思うし、やっぱりジャイアンツが勝つことが一番うれしいこと。監督が今まで作り上げてきた選手たちも活躍しているし、僕らは優勝しないといけない。それが選手の使命」。必ずチームを優勝させる。再びチームの柱に返り咲くことを誓った。 2試合連続の好投と復調の兆しを見せ、チームの連敗を5で止めた。「止めたこの連敗は僕の中でもすごく大きいですし、チームにとってもいい1勝になったと思います」。完全復活を目指す戸郷がチームを押し上げていく。(水上 智恵) ◆清水隆行Point 戸郷は何より、続けて結果が出たことが大きい。長く苦しんだ中で取り組んできたことが間違っていなかったと思えるし、手応えも深まっていくだろう。 以前の戸郷は直球の勢いでガンガン押して、最後はフォークを振らせるというシンプルなスタイルだったが、今はすごく丁寧に投球をする形に変わってきている。直球もフォーク、スライダーの変化球も、両サイドをしっかり突いて、高さだけは絶対に間違えないように、という意思を感じた。5回までに91球と球数は増えた。以前から球数の多いタイプではあったが、その内訳に変化はある。新しい形を築いてほしい。(野球評論家・清水 隆行)

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