「いっそ合法化しちゃったらどうなる?」オランダの例に見る性売買「合法化モデル」の成果と課題

「買春する側にも処罰を!」との声から、売春防止法見直しへの取り組みが始まっている。性売買の規制が問われるなか、世界の国々ではどのような規制が行われているのか。各国の例から日本の今後を問う風俗ジャーナリスト・生駒明氏の連載第2回では「合法化モデル」を導入した国々を紹介する。 合法化を代表する国、オランダ 日本は性売買を売春防止法によって禁止しているが、オランダ、ドイツ、スペイン、スイスなど、海外には合法化している国がある。 一般的に合法化とは性売買を”労働”として認め、国家が管理・規制するために「条件付きで許可する制度を作る」ことである。国家が特定の法律を定めて性売買を取り締まり、規定に合う範囲内のものであれば許可する。斡旋業者・経営者などの第三者は規制下で合法となる。 主に地域を限定して営業を許可する「特区制度(ゾーニング)」、免許を発行して基準を満たした人の営業を許可する「許認可制度(ライセンシング)」などが導入されることが多い。 合法化の目的は「性労働を闇から連れ出し、安全な環境と管理の下で行う」というものだ。売春を「仕事/職業(セックスワーク)」として認めることで、セックスワーカーの権利や健康、労働環境を改善するのが狙いである。 性売買を合法化している国の代表格がオランダである。オランダでは性売買は”個人の自由意思に基づく合法的行為”であり、「売春が合法なのは当たりまえすぎて議論にさえならない」「売春が違法だなんて考えたこともなかった」と一般にいわれるほど、国民の大多数に売春は”許容できる職業”とみなされている。これは世論調査ではっきりと示されたものだ。その制度は業界の自己管理とセックスワーカーの自主性を尊重する姿勢が強く、「合法化モデル」とも呼ばれている。 セックスワーカーは”一般の労働者”として位置付けられ、自営業者として登録するか、従業員として雇用されることで売春の許可を得る。定期的な健康診断や性病検査が義務付けられ、納税の義務を負う代わりに社会保障の適用も受けられる。 法の範囲内であれば売買春そのものは自由である。ただし、人身売買や未成年者の売春、また自由意思に基づかない、つまり他人から強制された売春行為は、厳しく禁止されている。 また、どこでも性売買ができるわけではない。例えば、自宅やホテルの部屋、路上での売春は禁じられている。地域ごとに営業エリアと業態が決められており、働く人も街も守られている。

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