阿部元監督の長女が相談したチャットGPT これからお笑いもAI ライバルはAI記者

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム> 25日に元巨人の阿部慎之助前監督が暴行の疑いで警視庁に現行犯逮捕(後に釈放)され、26日に監督を辞任した。原因は長女のトラブルと報じられた。長女がチャットGPTに相談して児童相談所に連絡するよう指示を受けたという。そこから警察へと通報され、現役の巨人軍監督が現行犯逮捕されるという前代未聞のできごととなった。 事件の詳細は担当外なので分からないが、逮捕の事実とともに驚かされたのが、長女がトラブルについてチャットGPTに相談したという現実だ。記者は仕事関係で使い始めたばかりのオープンAIに、若い世代はプライベートのことまで相談しているのだと知った。 コロナ禍明けのAIの進歩は素晴らしい。以前は1時間のインタビューをICレコーダーに録音すると、テープ起こしに10倍くらいの時間を要した。それが今では、録音を終えるとほどなく文字起こしされて出てくる。以前は複数の人を同時にインタビューすると、誰の発言か分からなくて困る時もあったが、今では声を聞き分けて「参加者1」「参加者2」……「参加者6」という風に出てくる。 次々と新しい技術の進歩について行くのに必死なのだが、その一方でその恩恵にドップリと浸っている。自動の文字起こしがなかったら、とっくに記者を辞めて、ゴルフか受験勉強に精を出していたかもしれない。 平成の初めにワープロが導入されて「これを使いこなせないということは、文字を書けないのと同じこと」と緊張したものだが、若かったからすぐ慣れた。ワープロからパソコンに変わった時も、送信の仕方や表の作成が格段に進歩した。 それだけに、今回の事件にオープンAIが関わっていたことに恐怖すら覚えた。つい先日も、ビジュアル系ロックバンドDIR EN GREYのサイトが、サイバーセキュリティーに特化したAI、クロード・ミュトスによるものと思われる被害にあったことを報じた。便利だと思っていたAIが、場合によっては牙をむく現実を思い知らされた。 AIで思い浮かぶのが、現在は単独独演会ツアー「その男、バカにつき」の真っ最中のお笑いコンビ、錦鯉だ。先月、インタビューしたのだが、お笑い界にもAIが浸透し始めている。 ツルツル頭がトレードマークのボケの長谷川雅紀(54)は「急速にAIの波がやって来ました。こないだもAI関係の番組の収録に2つぐらい行ってきました、演じるのもAIになれば、かむことも、ネタがとぶこともなくなる」。ツッコミの渡辺隆(48)は「AIがネタを作るのが、もう許される世の中になって来ちゃいましたね。人間よりAIが演じた方が面白くなるかもしれない」と話していた。 取材も生身の人間よりも“AI記者”が出動する日が来るかもしれない。赤字もなし、プレスリリースとインタビューの文字起こしだけで立派なインタビュー記事を書いてくれるかもしれない。全てのSNSをチェックして記事を書き、時にはとくダネも持ってくるかもしれない。そんな、AI記者をライバルにする後輩記者たちは大変だなとしみじみ思う。【小谷野俊哉】

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