FBI、国際詐欺組織への大規模摘発で80億ドル超の暗号資産を押収=報道

米連邦捜査局(FBI)が、アジア、アフリカ、中東などに広がる国際詐欺組織への大規模摘発「オペレーション・ブラックアウト(Operation Blackout)」を実施し、80億ドル超(約1.27兆円)の暗号資産を押収したことが明らかになった。米「FOX News」が5月28日に報じた。 報道によると、今回の摘発では約300人の容疑者が逮捕されたほか、詐欺拠点で働かされていた約2,000人の人身売買被害者が保護されたという。 今回の摘発で焦点の一つとなったのは、カンボジアの複合企業グループ「プリンス・ホールディング・グループ(Prince Holding Group)」創業者兼会長のチェン・ジー(Chen Zhi)氏だ。 米司法省(DOJ)は2025年10月、チェン氏を電信詐欺共謀およびマネーロンダリング共謀の容疑で訴追し、同氏に関連する約127,271BTCについて民事没収訴訟を起こしたと発表していた。DOJによると、これらのビットコイン(BTC)は当時約150億ドル(約2兆3,925億円)相当で、DOJ史上最大の没収訴訟だという。 ・フォックスニュースは今回、このBTCについて、現在価値で80億ドル超に相当すると報じている。 FBIは今回の捜査で、「民主カレン慈善軍(Democratic Karen Benevolent Army;DKBA)」との関連も指摘している。DKBAはミャンマー東部を拠点とする武装組織で、米財務省外国資産管理局(OFAC)の制裁対象となっている。 「オペレーション・ハオチェン(Operation Haochen)」と呼ばれる関連捜査では、ミャンマー・カウッカット(Kyaukhat)地区のタイ・チャン詐欺拠点が対象となり、FBIはタイ・チャンおよび関連する詐欺拠点に結び付く3,000万ドル(約47億8,500万円)相当の資産を押収したという。 今回の摘発では、イーロン・マスク(Elon Musk)氏率いるスペースX(SpaceX)の衛星通信サービス「スターリンク(Starlink)」との連携も実施されたという。 FBIはスターリンクに対し、詐欺行為に利用されている端末の特定に向けた位置情報データを提供したとされる。これを受けスターリンクは、ミャンマー国内で不正利用されていた7,000台超の衛星通信端末を停止したという。このことは、衛星通信インフラが国際犯罪捜査に活用された事例としても注目を集めている。 FBIによると、詐欺組織は「高収入の仕事」を装って人々を勧誘し、その後は監禁や暴力、拷問などを背景に詐欺行為への加担を強要していたという。 被害者の中には、ロマンス詐欺によって1人で300万ドル(約4億7,850万円)を失った米国人も含まれていたという。また、別の詐欺類型では、自殺に至った事例も過去に報告されている。 FBIのインターネット犯罪苦情センター(IC3)の2025年版レポートによると、2025年の投資詐欺に関する苦情は72,984件で、暗号資産投資詐欺による申告ベースの被害額は72億ドル(約1兆1,484億円)超に達した。 また、暗号資産に関連する苦情全体では181,565件、被害額は113億6,666万9,732ドル(約1兆8,131億円)に上った。FBIは、これらの申告額が実際の被害を過小評価している可能性があるとしている。 FBIのカッシュ・パテル(Kash Patel)長官はFOXニュースに対し、「米国人を標的にする者は必ず見つけ出し、そのネットワークを解体する」とコメントしている。

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