ニューヨーク、ニューヨーク州、6月3日 (AP) ー ニューヨーク市の地下に広がる広大な下水道網に、夜間にが次々と人が出入りする不審な事案が相次ぎ、地元住民や警察当局が困惑している。「地下の住人(モール・ピープル)か」「ワニの捕獲業者か、それともマリオブラザーズか」――。不気味な地下のミステリーに、警察も本格的な捜査に乗り出した。 地元警察などの調べや防犯カメラの映像によると、これまでに市内ブルックリン地区とクイーンズ地区の路上で、夜間にマンホールを開けて地下水道に出入りするグループが少なくとも3件確認されている。 ブルックリンのウィリアムズバーグ地区で記録された映像では、5月29日早朝、交差点の真ん中にあるマンホールから突如、7人の集団が次々と地上に姿を現した。周囲を車が通り過ぎる中、メンバーの中にはヘッドランプを着用し、シャベルなどの工具のようなものを持っている者もいた。最後に地面に這い上がった人物は、あわや走行中の車にひかれそうになる一幕もあった。 また、5月5日にはクイーンズ地区で、防水の胴付長靴(ウェーダー)や防護服に身を包んだ3人組がマンホールの蓋をこじ開け、地下へと降りていく姿が捉えられた。最後の1人が中から蓋を閉めると、近づいてきた車が不審に思って速度を落とす様子も記録されている。 防犯カメラを設置していた自動車整備店のオーナーは「彼らが地下で何をしていたのか見当もつかないが、ろくなことを企んでいるとは思えない」と不安を募らせる。 下水道網を管理する市環境保護局(DEP)は、ブルックリンの2カ所の現場を検査し、下水道設備への被害がないことを確認した。クイーンズの事案については現在も調査中だという。 市内では先月、マンハッタンの繁華街で女性が開いたままのマンホールに転落して死亡する痛ましい事故が起きたばかり。この際はトラックが通過した衝撃で蓋が外れていたとされている。 地元警察は一連の事案について、周辺の徹底的な捜索を行った結果、「市民の安全に対する差し迫った脅威はない」との見解を示した。現在までにけが人の報告や逮捕者は出ておらず、警察は侵入の目的や集団の身元について捜査を続けている。 (日本語翻訳・編集 アフロ)