6月16日、44歳のロシア人アーティスト、セミョン・スクレペツキー(本名:ロベルト・クゾフコフ)がポーランド東部ルブリン県のビャワ・ポドラスカ市で銃撃され死亡した。 Art Reviewによると、ベラルーシ国籍の33歳と37歳の男性2人が拘束されたものの、現時点では起訴には至っていない。うち1人はベラルーシ領事館近くで逮捕されたという。また英紙テレグラフは、被害者の体に5発の銃創があったと報じている。 アーティスト兼パフォーマーであるスクレペツキーは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領、チェチェンの指導者ラムザン・カディロフ、そしてロシア正教会のキリル総主教といった権力者を風刺した肖像画で注目を集めた。テレグラフ紙によれば、さらにはプーチン政権の腐敗を告発し続け、北極圏近くの刑務所で死去した政治家アレクセイ・ナワリヌイとその妻ユリア・ナワルナヤや、ロシア政府を批判し、YouTubeチャンネルの登録者が約250万人に達する活動家マクシム・カッツといった反政府的人物も対象としていた。 ルブリン県検察の報道官マルチン・コザクはテレグラフの取材に対し、6月16日午前10時ごろ、ビャワ・ポドラスカ市内の駐車場で身元不明の人物がスクレペツキーに向けて拳銃を3発発砲し、彼が倒れた後に近づいて至近距離からさらに2発を撃ったと説明した。遺体の検視では、頭部と胸部に計5カ所の入射創と2カ所の出射創が確認されたという。また同紙は、警察がスクレペツキーの子どもたちが通う学校や保育施設にも警官を派遣したと伝えている。 一方、ポーランド警察の報道官は地元テレビ局TVNに対し、「犯行の動機は不明だ」と述べた。しかしドナルド・トゥスク首相は6月17日、France 24の取材に対し、この事件は政治的動機による殺害である可能性が高いとの見方を示した。France 24は、イギリスやドイツ、リトアニアなどでもロシア政府に反対する人物が殺害される事件が起きていると指摘している。