子どもへの性暴力事件が止まらない。2024年も子どもに対する性被害のニュースが多かった。 つい最近も、富山で実の娘に性的暴行を行い起訴された裁判の初公判で、娘は逆らえない状態ではなかったとして、実父が無罪を主張したというニュースが報道された。また、東京都の中学校の元校長が教え子の女性生徒に性的暴行をはたらいた事件の裁判で「女子生徒は抵抗しなかった」「恋愛していると思っていた」などと供述したものの、懲役9年の判決が出たというニュースが記憶に新しい。 ほかにも、故・ジャニーズ喜多川氏による一連の少年への性加害問題、保育士の男性による性的暴行事件や大手学習塾の講師による盗撮事件など、ここ数年、ほぼ毎週のように子どもが被害の性暴力事件が報道されている。あまりの事件の多さや犯人の身勝手さに「またか!」と憤るものの、いつのまにかその衝撃度は薄れ、この手の報道に私たちも“慣れて”しまっていないだろうか。 子どもへの性加害のなかで顕在化しているのは「氷山の一角の、その一角のうちのごく一部」と警鐘を鳴らすのは、ふらいと先生こと、小児科医・新生児科医の今西洋介医師。今回『小児科医「ふらいと先生」が教える みんなで守る子ども性被害』を上梓した今西先生に、この本を書いたきっかけや、子どもの性加害の現状、そして、特に「お父さんにこそ読んで欲しい」と考える理由についてうかがった。