【『ハゲタカ』真山仁のクラファン1300万円突破記念対談】「日本が財政破綻したら」アメリカはどう反応するか

「ハゲタカ」シリーズで有名な小説家の真山仁氏が5月8日からスタートしたクラファンの支援金額が1300万円を超え(13,774,500円、6月24日時点)、話題だ(日本の“破綻”を読者と共に描くー真山仁『デフォルトピア』共同制作プロジェクト) 同クラウドファンディングで、真山氏は2017年に発表した作品『オペレーションZ』内で作中の小説として登場させた『デフォルトピア』(財政破綻した近未来の日本を鮮烈に予測活写したストーリー)を大幅加筆し、読者からの支援による出版にチャレンジする。選ぶ支援によってさまざまな形で小説の制作過程に関われる読者参加型「共同創作プロジェクト」だ。 約1200兆円超の累積債務という国民的課題に小説という技法で肉迫を試み、より多くの未来読者の意志を反映し得る「クラファン」という資金調達方法で世にムーブメントを起こそうとする作家のチャレンジに注目したい。 氏のこの活動を紹介した記事、クラファンで発表予定「日本財政破綻」の未来恐怖小説。米政治外交の専門家が読んだ でこの挑戦に共感を寄せた、国際政治学者でアメリカ外交が専門の同志社大学大学院教授三牧聖子氏と真山氏との対談が実現した。 「日本が本当に財政破綻したら」アメリカはどう反応するのか──。 ◾️MMT論争だけでは、「破綻後」の生活は見えてこない 真山仁氏(以下、真山):日本の財政破綻について話すと、必ず出てくるのがMMT、つまり自国通貨建ての国債なら破綻しないという議論です。もちろん、その議論も必要でしょう。 ただ、「破綻するか、しないか」だけに焦点を置くと、その後を誰も考えなくなる。いま、日本人全体にあるのは、見たいものだけ見たい、という傾向です。為政者もそうです。都合の悪いものは見ようとしない。 しかし21世紀に入ってから、想定外の危機が次々に起きています。巨大災害も、金融危機も、パンデミックも、戦争も起きた。中東情勢次第で、ホルムズ海峡を通る原油の輸送が止まりかねないという危機にも直面しました。それなのに、財政破綻だけは絶対に起きない、起きても生活には影響しない、という前提でいいのか。そこを小説で考えたい。 三牧聖子氏(以下、三牧):真山さんがつねづねおっしゃるように、たとえば農業は、化学肥料や農薬が使えなければ収穫量が落ちる。飼料は輸入に頼っているから、畜産も成り立たない。ガソリンがなければ、そもそも物流は止まる、青森で作ったリンゴが、他の地域へ運べないといったことが当然のように起きる、といったところまで具体的に描くと、財政破綻という言葉の意味が変わりますね。国の借金の話ではなく、暮らしの前提が崩れる話になる。都市で暮らすこと自体が難しくなり、疎開しなければならなくなるかもしれない。

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