2023年よりソロ活動を開始し、同年8月にバンド・Aooo(アウー)を結成した石野理子。連載「石野理子のシネマ基地」では、かねてより大の映画好きを明かしている彼女が、新旧問わずあらゆる作品について綴る。 第19回は、ロベルト・ロッセリーニ監督の『ドイツ零年』。第二次世界大戦後のベルリンを舞台に、焼け野原となった街と、そこで生きる少年の日常を描いた作品だ。戦後間もない実際の街並みを舞台に撮影された映像は、80年近く経った今なお圧倒的な現実味を放っている。 瓦礫と化した都市で、社会や大人たちの事情に翻弄されながら生きる少年。その姿を通して映し出されるのは、戦争そのものではなく、戦後に人々が背負い続ける傷跡。約80年前のベルリンの街並みは、現代を生きる私たちに何を訴えかけるのか。石野が、その静かな衝撃を見つめる。 ※本稿には、作品の内容および結末・物語の核心が含まれています。未鑑賞の方はご注意ください