若者を「捨て駒」にする闇バイト…巧妙・分業化する『トクリュウ』の実態とは

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜19:57~)。番組では、都内で相次ぐ「トクリュウ」事件と、若者を狙う闇バイトの実態について注目しました。 ◆若者を「捨て駒」に…「闇バイトは必ず警察に捕まる」 今年2月以降、都内で相次いで12件発生した匿名流動型犯罪グループ、いわゆる「トクリュウ」による事件。この12の事件で実行役として浮上した人物はあわせて57人で、約8割が逮捕されています。 実行役の多くは闇バイトや知人の勧誘などで集められた10代から20代の若者で、そのほとんどが報酬を受け取っていませんでした。 そんな中、新宿区のクラーク記念国際高校の生徒約1,100人に対して実施されたのが、警視庁による闇バイトの危険性を伝える「非行防止教室」です。ここででは、友人や先輩からの誘いで巻き込まれるケースが多いことや、途中で抜け出そうとしても脅迫され、犯行を強要されるなどの実態が伝えられました。 警視庁少年育成課の担当者は、「闇バイトは必ず警察に捕まる」とし、「不安を感じたり誘いを受けたりした場合は、ためらわず警察に相談してほしい」と呼びかけました。 参加した生徒は「楽して大金を稼ぐ方法はないと知ったので、友人からの誘いの言葉や闇バイト特有の誘い文句が出たら、本当に犯罪ではないのかと立ち止まり、周りの大人や友達に相談したいと思う」と話していました。 ◆相次ぐ「トクリュウ」事件 犯罪役割を分業化 警視庁によると、これまでに逮捕した容疑者から押収したスマートフォンの解析から、犯罪が多重下請け構造のようにフランチャイズ化している犯罪グループの実態が明らかになりました。以前は1つの組織が行っていましたが、最近は流動的な枠組みで分業化されてきています。 そして、多額の資金を持っている家などの「標的情報」を情報元が売却し、ここから情報を購入した案件屋が「案件」として計画。複数の仲介役たちに話を持ちかけます。 仲介役たちはその情報をもとに、複数のリクルーターや指示役に実行犯の手配と犯行日程の調整を依頼。その後、指示役が実行役をSNSで「闇バイト」として募集したり、一度使った人物経由で知り合いを集めて犯行に至ったりするという流れです。 この案件屋は情報元にすでにお金を支払っているため、あるルートで実行役が失敗したとしても、別のルートにまた情報を流し、どこかで成功して支払ったお金の分を回収する仕組みになっており、何度も同じ標的を狙わせているのではないかと考えられています。 警視庁の幹部によると、住民から寄せられる「何度も見かける不審な車」等の情報から、狙われているとみられる場所を特定し、警視庁本部に集約。これらの情報は全国の警察署に共有され、パトロールの強化のほか、積極的に職務質問するなどの警戒を強化しているということです。 ◆巧妙化する犯罪網、情報元を断つ対策と自衛が不可欠 元裁判官で国際弁護士の八代英輝さんは「手加減を知らない年少者による強奪行為は悲惨な結果につながることが多い。未然に防ぐためには警察のネットワーク駆使やSNSの監視を実効的に行ってほしい」と切望。 元衆院議員の金子恵美さんは「若者が実行役になるのを防ぐための学校での啓発活動は有効」と評価しつつ、「そもそも(多額の資産がある)標的情報がどこから漏れているのかが問題。(資産家の情報を持つ企業)内部からの情報漏洩なども犯罪であり、情報元を断ち切る必要がある」と根本的な解決策を求めました。 さらに、国際情報誌「フォーサイト」元編集長の堤伸輔さんは「個人情報保護法が変わる動きもあるが、まずは個人レベルで名前や住所を第三者に安易に渡さないこと。また、自宅のポストや玄関口に不審なマーキング(目印)がないか普段から気にしておくべき」と各自ができる自衛の重要性を強調していました。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加