【ワシントン=本間英士】米国務省は13日、国際刑事裁判所(ICC)が米国の主権に脅威をもたらしているとして、対抗措置を取ると表明した。ICCと関連団体への制裁や、加盟国に脱退を促すための外交的圧力を検討しているという。トランプ政権はICCを敵視しており、ルビオ国務長官は米紙ウォールストリート・ジャーナルへの寄稿で、「もし必要であれば、あらゆる手段を用いてICCを解体する」と主張した。 ICCには125カ国・地域が加盟する一方、米国やロシア、イスラエル、中国はICCに加盟していない。トランプ政権はこれまでに、ICCがアフガニスタンでの戦争犯罪を巡り米兵を対象にした捜査を進めたことや、イスラエルのネタニヤフ首相の逮捕状を出したことを批判。ICCの裁判官や検察官に制裁を科すなど圧力を強めてきた。 国務省は声明で、「ICCは米国の国益のために働く米軍兵士や政府当局者を訴追し、収監する権限があると主張している」と指摘。米国はこのような権限を認めたことは一度もないとした上で、「ICCの脅威を取り除くためには、いかなる外交手段も排除しない」と強調した。 ICCの最大の資金拠出国は日本で、2024年からは赤根智子所長が日本人として初のトップを務めている。国務省は検討中の措置の一つとして、「米国の安全保障の傘の恩恵を受ける国々に、ICCの権限を否定するよう呼びかける」ことを挙げており、日本に影響が及ぶ可能性もある。 ICCは常設の国際刑事裁判機関としてオランダ・ハーグに設置され、人道に対する罪や戦争犯罪などを犯した個人を訴追・処罰する機能を持つ。23年にはロシアのプーチン大統領に逮捕状を発付した。