国賠訴訟についてQ&A形式で分かりやすくまとめました。 Q 裁判の記事を読んでいたら、「国賠訴訟」という言葉を見つけたよ。 A 正式には国家賠償請求訴訟と言います。公務員がした違法なことに対して、責任を問うために起こす民事裁判です。国家賠償法では、公務員がわざとや不注意によって人に損害を与えた場合、国や自治体がお金で償う責任を負うと定めています。また、わざとや重大な不注意があったときは、国と自治体は公務員に賠償額の負担を求めることができます。 Q この前、裁判官の責任を問いただす訴訟の記事を読んだよ。 A 大川原化工機の冤罪事件の記事ですね。無実の罪で、逮捕・起訴され、拘置所で身柄を拘束されている間に胃がんが見つかったにもかかわらず、一時的な釈放(保釈)をされずに亡くなった相嶋静夫さん(享年72)の遺族が、4月に起こした訴訟です。警察や検察に身柄を拘束する許可を与えたり、保釈を認めなかったりした裁判官37人の責任を追及しています。 Q それも国賠訴訟なの? A そうです。裁判官は、特別職の国家公務員です。遺族側はそれぞれの裁判官が違法な判断をしたと訴えています。法律上は、違法なことをした公務員個人に対して直接訴訟を起こすことはできません。被告は裁判官ではなく国になっています。 Q 裁判官の判断を身内の裁判所が裁くのは難しそうだね。 A 裁判官の判断について、国の賠償責任を認めるハードルは極めて高いと言われています。1982年の最高裁判決は、賠償責任が生じるのは「裁判官が違法または不当な目的をもって裁判をしたなど、特別の事情があることを必要とする」と示しました。今回の裁判は、罪を認めなければ保釈されない「人質司法」の問題を正面から問うものです。相嶋さんの遺族は多くの人に関心を持ってほしいと望んでいます。【遠藤浩二】