世界最大級のトレントサイト「Nyaa」の第1アップローダーを逮捕、日本ハッカー協会の解析ツールで被疑者を特定

京都府警察サイバー対策本部サイバー捜査課および京都府伏見警察署は7月28日、世界最大級のトレントサイト「Nyaa」(nyaa.si)を通じてテレビドラマを権利者に無断でアップロードしていた相模原市在住の男性を著作権法違反の疑いで逮捕した。一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)が発表した。 トレントサイトは、「BitTorrent」などのファイル共有ソフトの利用を前提として、データそのものを掲載するのではなく、データを取得するために必要となる情報(トレントファイルなど)を掲載しているウェブサイトを指す。SimilarWebの調査によると、Nyaaの2025年7月~2026年6月の月間平均アクセス数は約3000万に達しており、数多く存在するトレントサイトの中でも世界最大規模のアクセスを集めているという。 過去の著作権侵害事例に関する発表では、サイト名が伏せられることも少なくないが、今回の発表ではNyaaの名称およびドメイン名が明らかにされている。CODAに確認したところ、公表の意図は、トレントサイトの仕組みや利用リスクについて社会へ周知することにあるという。 BitTorrentなどのP2P技術を使用したファイル共有ソフトの多くは、ダウンロードと同時に自動でアップロードも行われる構造で、他者の著作物をダウンロードしただけでも、(アップロードしたことによる)著作権侵害で刑事責任を問われる可能性がある。CODAの発表でも「トレントサイトで利用されるファイル共有ソフトの多くは、ダウンロードを行うと同時にアップロードが行われる仕組みとなっています。そのため、利用しただけでも著作権法違反に問われる可能性があります」などと注意喚起を行っている。 また、違法にアップロードされたコンテンツであることを知りながらダウンロードする行為についても著作権法違反となる可能性がある。詳しくは関連記事も参照のこと。 なお、Nyaaのようなトレントサイトは、それ自体がただちに違法と判断されるものではない。 男性は2026年、NHKが著作権を有するドラマ「ミッドナイトタクシー」のデータを最初に流通させる第1アップローダー(Seeder)として、Nyaaにトレントファイルを掲載し、不特定多数のユーザーにデータを共有していたほか、同様にNHK作品を中心とする多数のドラマなどを共有していた疑いが持たれている。 今回の捜査においては、一般社団法人日本ハッカー協会が開発した解析ツールを用いて被疑者情報を取得することに成功し、京都府警察の捜査により被疑者の特定に至っている。 BitTorrentをはじめとするP2P技術によるファイル共有は、大容量のデータを高速かつ効率的に共有できる一方、中央サーバーを介さないなどの海賊版対策を回避しやすい技術的・構造的特徴から、海賊版コンテンツの流通に悪用されるケースも多く、著作権侵害の温床となっていることが指摘されている。 CODAは、Nyaaをはじめとするトレントサイトにおいて、データを最初に流通させる第1アップローダー(Seeder)をP2Pネットワークにおける著作権侵害の拡散を生み出す「起点」とし、特定および摘発を重要視している。 また、2025年には、Nyaa上のトレントファイルへリンクするリーチサイトを通じて、コンテンツを無断アップロードしていた2次アップローダー3人も摘発されている。一連の摘発についてCODAは、トレントサイトを利用した著作権侵害に対する大きな抑止効果が期待されるとしている。 CODAは、「クリエイターの創意工夫とたゆまぬ努力によって生み出された作品に敬意を払い、文化の健全な発展を支えるためにも、コンテンツは正規のルートを通じてお楽しみいただくとともに、海賊版コンテンツを利用しないようお願いいたします」とコメントしている。

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