『短い時間で高収入』 こうした誘い文句で「闇バイト」が夏休み中の若者を狙っている。 SNSで簡単に応募できるが、その実態は凶悪な犯罪。 みやぶるためのポイントを取材した。 3月、闇バイトに70人以上を勧誘したとして20代の男女2人が逮捕された。 北海道警察が闇バイトの募集に関する職業安定法違反の疑いで逮捕するのはこれが初めて。 闇バイトの危険は若者の身近に潜んでいる。 「(アルバイトはどんなふうに探しますか?)ネットでスマホとかで調べて探した」(大学生) 「(SNSで『闇バイト』を見たことは?)『簡単な仕事ですぐお金もらえる』。そういう内容のを見たことがある」(専門学校生) 「インスタでそういうアカウントからフォローとか来る。『簡単に稼げるよ』みたいな」(高校生) 「何が起こるかわからなくて結構怖くて足を踏み入れられない」(高校生) 「高収入、バイト」のキーワードで検索すると「月給300万円以上」「即日即金」「テレグラム必須」などと怪しいバイトの募集が次々と表示される。 「テレグラム」も匿名性の高いアプリだ。 犯罪心理に詳しい北翔大学の飯田昭人教授はSNSでアルバイトを探すことには危険がつきまとうと指摘する。 「SNSはあるものを検索すると比較的ずっとそれが出てくる。『高額バイト』『即金即決』で検索し、Xとかを見るとそういう情報が流れてくる」(北翔大学 飯田昭人教授) 警察庁が発表した闇バイトの基本的なパターンはこうだ。 自らSNSで「高額報酬」などと検索し、応募。 犯行グループから連絡が入り「シグナル」など匿名性が高いアプリに誘導。 言われるがままにマイナンバーカードや家族の情報などを送信。 犯罪行為への加担を拒否すれば犯行グループが個人情報をもとに脅迫。 抜け出せなくなるという流れだ。 「おいしい話には裏がある。入り口のところで『これって大丈夫かな』。応募した後も実行していないのであれば(加害者ではなく)被害者になる可能性が高い」(北翔大学 飯田教授) 闇バイトの危険を知ってもらおうと香川県高松市の高校では6月、「レイの失踪」というゲームを使った出張授業が行われた。 実際の事件をもとに慶應義塾大学4年生の今井善太郎さんが開発したゲーム。 生徒たちは失踪したレイのSNSのアカウントにアクセスし「闇バイト」に勧誘され抜け出せなくなってしまうことを疑似体験した。 「楽して稼げない」 「お金が絡んでくると人は流されやすいと思った」(いずれも参加した高校生) 「(闇バイトに)どんな危険が潜んでいるのか知らない人も多い。ゲームで体験してもらえて良かった」(「レイの失踪」を開発した 今井善太郎さん) 「闇バイト」はSNSのほか「知人からの紹介」が入り口になることがある。 「全く知らない人からより、友達とか先輩とか知人とか、ある程度信頼している人からの話の方が闇バイトにつながりやすい。警戒心が下がるので」(飯田昭人教授) 警察庁によると2025年、特殊詐欺の受け子などになったケースでSNSがきっかけだったのは20歳以上で40.5%、19歳以下では25.3%だった。 一方、知人などの紹介がきっかけとなったのは20歳以上で約3割、19歳以下では6割を占めた。 身近に潜む闇バイトの危険から身を守るにはどうすればよいのか。 「撤退する勇気。『これおかしいな』という感覚が生じたときに身近な人に相談してほしいのが一番」(北翔大学 飯田教授) 夏休みを利用してアルバイトを探す人が増えるこの時期、SNS上には「闇バイト」の勧誘が身近なところに潜んでいる。 危険な求人を見破るポイントを紹介していく。 SNSでよく見られる2つの求人を比較してみた。 一方は「段ボールを運ぶだけ」「最低一件5万円から支給」「DMにて連絡ください」という内容。 もう一方は勤務時間や時給、交通費支給といった具体的な条件が明記されている。 闇バイトの求人を見抜くポイントは大きく4つある。 1つ目は「極端な高額報酬」。 日当15万円、月給300万円など、通常では考えられない金額が提示されている場合は要注意。 2つ目は「仕事内容が曖昧」であること。 書いてあるようで具体的に何をするのかわからない求人は危険だ。 3つ目は「秘匿性が高い連絡手段」の指定。 テレグラム必須など、やり取りの痕跡が残りにくいツールを求められる場合は警戒が必要。 4つ目は「怪しい誘い文句」。 「受け」「出し」「叩き」といった隠語が使われている場合、闇バイトの可能性が高いとされている。 仮に闇バイトに応募してしまった場合でも、引き返すことはできる。 家族や最寄りの警察署などにすぐ相談を。