都民の安全・安心を守るため職務に励む警察官を表彰する第96回「都民の警察官」の受章者が決定した。今回は、渋谷署刑事課の前原康弘警部補(56)▽石神井署地域課の森一彰警部補(54)▽深川署交通課の寺田直樹警部補(52)▽小松川署生活安全課の若生さをり警部補(54)▽青梅署古里駐在の奥西俊郎警部補(51)―の5人が選ばれた。 選考では警視庁が候補者8人を推薦し、委員が書類審査でこれまでの実績や人柄といった推薦理由を基に最終的に5人を選出した。 委員らは、前原警部補について「多数の窃盗事件を解決した」と受章理由を挙げた。森警部補は「要人警護に尽力し、現在は業務のスリム化などで組織貢献した」とし、寺田警部補は「交通警察分野のスペシャリスト」とたたえた。若生警部補は「人身安全関連事案に適正に対処し、重大事件の発生を防いだ」、奥西警部補は「住民に寄り添った地域活動などでまちの治安維持に多大な貢献をした」と評価した。 表彰式は8月20日に行われる。 ■渋谷署刑事課盗犯捜査2係長・前原康弘(まえはら・やすひろ)警部補(56) すり犯捜査に多く携わり、警察官人生約37年のうち28年以上を刑事部門にささげている。窃盗事件捜査のさまざまな手法に精通しており、事件解決の功労で、20回以上警視総監賞を受賞してきた。 本部捜査3課ですり犯捜査員を務めていた平成15年にはATM利用者からキャッシュカードを盗んで、現金を不正に引き出す「韓国人武装すりグループ」と対(たい)峙(じ)した。緻密な捜査で発生場所を分析。包丁2本を所持していた容疑者を現行犯逮捕した。 三鷹署勤務中の平成10年には、壁を破る手口で貴金属を盗むなどして「爆窃団」と呼ばれていた中国人グループメンバーを逮捕。数億円規模の犯行を重ねた十数人の逮捕を実らせた。 自分に厳しく妥協を許さない姿勢は捜査員の模範となっている。温厚な性格から親しみを込めて「前さん」と呼ばれ、上司や部下からの人望も厚い。 今回の受章に「自分だけでもらった章ではない。周りの方々に感謝しかありません」と笑みを浮かべた。