捜査対象だった女性と不適切な交際をしていた元東京地検特捜部検事が懲戒免職処分を受けた。検察の大スキャンダルだが、このスキャンダルが検事総長の退任にも影響を与えていた。 * * * 最高検は7月29日、臨時の記者会見を開き、山元裕史次長検事が頭を下げた。 「検事による事件処理の公平性・公正性に多大な疑念、疑惑を招くものであり、国民の皆様に対して深くお詫び申し上げます」 この日、東京地検特捜部の直告班キャップだった西田将仁検事(現・東京高検検事)が懲戒免職処分になったことが発表された。西田検事は特捜部時代、容疑者として取り調べた女性を略式起訴して、処分が決定する前に交際を始め、3000円相当の電子マネーを受け取り、別の事件の取り調べのため公費で利用した都内の一流ホテルに女性を呼び出して一夜をともにしたこともあったという。週刊新潮の記事によると、女性に多額の金品を貢がせ、暴力をふるって警察に駆け込まれた疑惑もある。 元東京高検検事長のA弁護士はこう嘆く。 「畝本さんは就任してから最後まで、不祥事ばっかりだったね……」 畝本さんとは、畝本直美検事総長(64)のことだ。 政府は7月24日の閣議で、畝本検事総長が8月12日付で退任し、後任に川原隆司東京高検検事長(61)を充てる人事を決めている。畝本氏が女性初の検事総長に就任したのは2024年7月。検事総長の任期は慣例で2年となっているため、畝本氏は当初、今年7月で川原氏に交代する予定だった。それが西田検事のスキャンダルによって8月に変わったのだという。 A弁護士がこんな内幕を明かす。 「ちょうど西田検事のことが検察に漏れ伝わってきたのは、今年春ごろ。女性が『暴行された』などと警察に行ったことから情報が入ってきた。実は、西田検事が司法試験に合格して司法修習所にいたとき、教官として指導にあたったのが畝本さんだった。その後、メディアからも西田検事の不祥事について聞かれるようになり、畝本さんも早晩、西田検事の不祥事が明るみに出ると覚悟した。そこで西田問題にケリをつけてから退任する方向になり、交代時期が8月にずれ込んだ。元指導教官が“製造責任者”として、サンドバッグになるしかなかった」 畝本氏の問題は西田検事の“製造責任”にとどまらない。