避難所は仕切りもなく雑魚寝、熱中症…「国の震災対応は10年たっても変わらない」 熊本地震・八代ルポ

8月3日、高市早苗首相が熊本地震の被災地に入った。熊本県氷川町の避難所を視察したという。避難所にいた人はこう話した。 「高市首相が来てくれたのはありがたい。2016年の地震から10年たっても、国などの震災対応はぜんぜん変わらない。警備の人ばかりで、大名行列のように避難所を見て行った。あれで何がわかるのかなとも思うが、震災対応が変わってほしい」 * * * 記者は震度6強の揺れを観測し、建物や道路の被害が目立った八代市内などを地震発生から3日後の7月31日に歩いた。 南九州自動車道の八代ジャンクション近くでは、上下線がどちらもつなぎ目で1メートルほどずれてしまっていた。高さ数十メートルほどの高速道路の上で、作業員の姿があった。炎天下の中で修復を始める準備をしていた。現場にいた人はこう話す。 「断層の上にある高速道路のつなぎ目がずれてしまった。落下はしていないが、被害を確認した作業員は、かなり復旧には時間がかかるだろうと言っていた」 自動車道のすぐ下にある墓地には、地割れが見られた。周辺の舗装された道路にも、あちこちで地割れがあり、段差がついている。段差は大きいところだと50センチほどもあり、撮影していると足をとられて転びそうになった。 ■「数秒遅ければ楼門の下敷きになっていた」 南九州自動車道の断層から500メートルほどのところに、地元で「妙見さん」と親しまれている八代神社がある。ユネスコの無形文化遺産「八代妙見祭」の舞台にもなっている。近くの駐車場や参道は50センチから1メートルほど隆起し、その上に立つ建物も倒壊したり、傾いたりしている。楼門は完全に倒壊してしまっていた。 神社のスタッフは間一髪で難を逃れたと言う。 「地震の日の午後、私は木を切ったりしていたんですが、あまりに暑いので楼門の下で休憩しながら作業をしていた。ちょうど楼門から出たときに地震があって、楼門が一気に倒れた。数秒遅かったら、下敷きになっていた」 小林雄彦宮司はこう話した。 「断層があるとは聞いてはいましたが、それに沿って建物も倒壊し、ひびが入っているように思われます。1186年に創建されたとされ、長く地域に親しまれている神社なので、なんとか復興させたい」 周辺の県道158号線の横にある田んぼには50センチほどの段差ができていた。田んぼの向かいに住む住民に話を聞いた。 「今回の地震は横揺れがすごかった。家の中で家具にしがみつき、身を守るのに必死だった。揺れが収まった直後に外に出たら、田んぼが地割れというかせりあがっていて、びっくりした。昔から断層が通っていると聞いてはいたが、現実を見て地震の恐ろしさを痛感します」 田んぼでは作業着に「鹿児島県」と書かれた職員が、隆起の高さなどを計測し、撮影していた。

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