●危険運転致傷容疑で書類送検 医療機関で処方された薬を服用した影響で追突事故を起こし、男女2人にけがを負わせたほか、上司に暴行、立ち小便をしたとして、石川県警は10日、本部所属の40代男性警部補を懲戒免職処分にした。昨年10月、自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)などの容疑で金沢地検に書類送致した。県警は送致から処分まで10カ月を要した理由を「事案を厳密に精査し、慎重に判断した結果」としている。県警によると、本人から反省の言葉はないという。 危険運転致傷容疑で書類送検 書類送検容疑は2024年12月23日午後8時45分ごろ、処方薬を服用後に車を運転し、金沢市戸水2丁目の県道で信号待ちをしていた車に追突し、男女2人に頸椎(けいつい)捻挫などのけがを負わせた疑い。 県警によると、処方量を超える量の薬を飲み、事故後、自ら110番通報したが、ろれつが回っていなかった。県警はプライバシーに関わるとして、薬の種類を明らかにしていない。 男性警部補は事故の2日後、金沢市内の職場で上司の胸ぐらをつかんだ。私生活や健康状態などに関する悩みを聞く定期面談を受けるよう別の上司が促したところ、反発したという。上司にけがはなく、事故の調査の過程で発覚した。 25年5月29日午後6時35分ごろに同市内のコンビニエンスストア駐車場で放尿した疑いも持たれており、暴行と軽犯罪法違反の容疑でも金沢地検に書類送致された。危険運転致傷については否認し、別の容疑については黙秘している。 県警は、所属部署や勤務態度などを明らかにしていない。外部と接する機会は少なく、問題発覚後も勤務し続けていた。 県警は、懲戒処分の指針に基づき今回の処分内容を検討。薬物の影響による危険運転致傷に処分の基準はなく、アルコールの影響による危険運転致傷では免職か停職としていることを参考にした。暴行と軽犯罪法違反は信用失墜行為に当たるとするなど総合的に判断した。 逮捕を見送った理由に関しては、逃走や証拠隠滅の恐れなどを総合的に判断し、逮捕の必要性が認められなかったと説明した。 県警職員の処分を巡っては、24年5月、飲酒運転で事故を起こしたとして当時50代の男性警部補が懲戒免職処分となり、25年11月には、暴力団組員に捜査情報を漏らしたとして当時30代の男性巡査部長が懲戒免職処分となった。 県警の木谷力首席監察官は「県民に深くおわび申し上げる。職員に対する指導教養を徹底し、再発防止と信頼回復に努める」とコメントした。 ●過去5年間の石川県警職員の主な懲戒処分 2022年5月27日 警察署勤務の20代男性巡査部長が知人女性の胸を触ったとして、強制わいせつの疑いで書類送検された。停職1カ月。 2023年6月2日 津幡署地域課で交番勤務の20代男性巡査長が交通違反の取り締まり中、所持品検査を口実にパトカー内で女性の体を触ったとして、準強制わいせつと特別公務員暴行陵虐の疑いで書類送検された。停職6カ月。 2024年5月17日 警察署勤務の50代男性警部補が酒酔い運転をして物損事故を起こしたにもかかわらず、警察に事故を報告しなかったとして、道交法違反(酒酔い運転、事故不申告)の疑いで書類送検された。懲戒免職。 2025年11月21日 本部刑事部の30代男性巡査部長が暴力団組員と不適切な交際を行い、捜査情報を漏らしたとして、地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで書類送検された。懲戒免職。 2026年1月16日 警察署勤務の50代男性巡査部長が酒気を帯びた状態で乗用車を運転したとして、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで書類送検された。停職3カ月。※日付は処分日