トルコがクルド労働者党(PKK)と行ってきた42年間の流血紛争終息に一歩近付いた。10日にPKKの武装解除を規定した社会統合法案を通過させてだ。トルコ議会はこの日、「国家連帯と社会統合強化法案」を在籍議員562人中賛成468票、反対88票、棄権6票で通過させた。 法案は与党公正発展党(AKP)と、連帯する民族主義者行動党(MHP)、親クルド性向の人民平等民主党(DEM)などが5日に共同で発議した。PKK構成員が武器と弾薬を返却した事実が確認されれば過去の犯罪に対する捜査と起訴を猶予したり、懲役刑の判決を執行猶予に減刑して社会復帰できるようにする内容を盛り込んだ。 捜査・起訴対象者が最大10年である猶予期間にテロ犯罪を犯さない場合には起訴を棄却したり刑が執行されたものと見なすことにした。武装解除検証は副大統領、情報当局トップらで構成された国家安全保障委員会が担当する。 法案通過により1984年から4万人以上が死亡したトルコ政府とPKKの紛争を終わらせる基盤が設けられたとの評価が出ている。PKKはクルド族が多数であるトルコ南東部での国家樹立などを要求し武装闘争を行ってきた。トルコは軍を投じて持続的に鎮圧作戦を行い、PKKはトルコと隣接するシリアやイラク北部を根拠地として数十年にわたり抵抗を続けてきた。 局面が変わったのは昨年2月だ。1978年にPKKを設立して闘争を率い1999年にトルコに逮捕され収監中のアブドラ・オジャラン受刑者が「武器を下ろして闘争をやめよう」という意向を明らかにしてだ。PKKはオジャラン受刑者の意に従うとして同年5月に武装解除と組織解体を宣言した。その後イラク国内の自治地域で武器を焼却する行事も行った。ロイター通信は「PKKはトルコ国内の政治活動で自治権を得ることに目標を変えた」と伝えた。 トルコのエルドアン大統領も法案通過を宿願事業と考えてきた。彼は「テロのないトルコ」に向けPKKとの和解を追求し、消耗的な紛争状況を終結すると明らかにした。今回の法案通過を政治的成果としてトルコと国際社会に掲げられるようになった。終身執権改憲に向け親クルド野党DEMの協力が切実なエルドアン大統領としては、法案を通過させてDEMの支持を得る必要もあった。 対立の素地は残っている。PKKは法案にオジャラン受刑者の釈放が含まれていないと反発する。法案は武器と弾薬を返却すると明らかにしたPKK構成員であっても故意の殺人や2005年6月以前に罪を犯していれば罪を減免しない。1999年から収監中のオジャラン受刑者は赦免の可能性がないことになる。 PKKは昨年武装解除を宣言しながらオジャラン受刑者を出所させ、PKKの軍事組織解体を監督できるようにしてほしいと要求してきた。PKKは9日の声明で「法案は『クルド』という用語すら使わないまま単純に武装解除だけに言及するなど欠陥と誤りがある。われわれは法律が制定されるには(PKK)指導者が自由に活動できなければならない点を強調してきた」と批判した。その上で立法を拒否はしないとしながらも速やかに補完されなければならないと主張した。