なぜ無実の人が罪を着せられるのか。 えん罪事件の被害者となった厚生労働省の元事務次官、村木厚子さん(70)が「当事者」として訴えたいこととは。 村木厚子さん 「私がすごく怖かったのは、かけがえのない時間というのがあって、それを無駄にするというのが、本当にえん罪の怖いところかなと思います」 厚生労働省の元事務次官、村木厚子さん。”えん罪事件”の被害者です。 ■2009年虚偽公文書作成などの疑いで大阪地検特捜部に逮捕・起訴 それは厚労省の局長だった2009年。 活動実態のない障害者団体にうその証明書を発行するよう部下に指示し、郵便割引を受けさせた虚偽公文書作成などの疑いで、大阪地検特捜部に逮捕・起訴されたのです。 村木厚子さん 「逮捕されて最初の取り調べで私が言われたのは、『僕の仕事はあなたの供述を変えさせることです』。あ、真相解明はしてくれないんだ」 一貫して無罪を主張し続けた村木さん。その後の裁判で検察のずさんな捜査が明らかとなり、逮捕から1年3か月後、無罪判決を勝ち取りました。 ■証拠開示のルールが依然不十分で無罪の証拠が埋もれるおそれ 村木厚子さん 「本当にこういう結果が出ると信じてやってきて、そのとおりの判決が出て本当にうれしいです」 8月11日、札幌で講演会に臨んだ村木さん。 刑事裁判をやり直す再審制度見直しの改正法が78年ぶりに成立しましたが、証拠開示のルールが依然不十分で無罪の証拠が埋もれるおそれがあると指摘します。 村木厚子さん 「やっぱりおかしい、あれじゃあ不十分だと言っていかないと、再審にかかる人って本当に少数だから、少数ってなかなか届きにくい。一番お願いしたいのは、自分が巻き込まれるまで(刑事司法に)全く無関心だった私の反省として、関心持ってくださいっていうことですかね」 自分のような被害者を二度とつくらない。 村木さんは今後も「当事者」として訴え続けます。