【08月16日 KOREA WAVE】韓国で10月2日、重大犯罪捜査庁が発足する。捜査官だけで約2500人規模となり、汚職、経済、防衛事業、麻薬、内乱・外患、サイバー犯罪など6大重大犯罪の捜査を担当する。政府・与党は、警察や高位公職者犯罪捜査処と並ぶ捜査機関になると期待している。 一方、発足まで50日を切った現在、中心的な役割を担うとみられる検事の応募は低調で、留置施設などのインフラも他の捜査機関から借りる必要がある。このまま発足すれば、捜査空白や人権侵害などの問題が生じるとの懸念も出ている。 重大犯罪捜査庁は本庁とソウル、水原、大田、大邱、釜山、光州の6地方庁で構成される。捜査官2567人を含む総勢2874人体制で、本庁に396人、6地方庁に2478人を配置する。 重大犯罪捜査庁へ移る検事は、特別職公務員の「重大犯罪捜査庁捜査官」として採用され、令状請求の検討、公判維持の支援、捜査の適法性管理など、重大犯罪捜査に必要な法的支援を担う。 地方検察庁長級の検事は1級捜査官、次長・部長検事級は2級に採用される。法曹経歴10年以上の検事は3級、10年未満は4級捜査官となる。 しかし、検事の反応は鈍い。11日に開かれたソウル高等検察庁と最高検察庁所属検事向け説明会には、平検事約40人しか参加しなかった。全国の説明会への累計参加率も、捜査官が定員の約25%に達した一方、検事は約10%にとどまっている。 重大犯罪捜査庁へ移れば「検事」の肩書を失う一方、給与や昇進面で大きな利点がないというのが現職検事の一般的な見方だ。検事など中核人材が適時に確保できなければ、本格的な捜査開始は2027年以降になるとの見方もある。 重大犯罪捜査庁は、検察や警察からの異動だけで定員を満たせない場合、公認会計士、弁護士、元検事、警察官など外部の専門人材を採用する方針だ。 また、関係機関から人員を派遣する「合同捜査課」についても具体性が不足しているとの指摘がある。現在立法予告中の組織案では、ソウル、水原、大田の各庁に計5つの合同捜査課を設置し、警察、国税庁、金融委員会、関税庁などの職員が勤務する予定だが、どの機関から何人を配置するかは決まっていない。 地方庁の管轄も広い。ソウル庁はソウル、仁川、京畿北部、江原を担当し、水原庁は京畿南部、大田庁は忠清圏と大田・世宗、大邱庁は大邱・慶尚北道、釜山庁は釜山・蔚山・慶尚南道、光州庁は全羅南道・光州、全羅北道、済州を担当する。 このため、江原道の警察で捜査を受けていた犯罪被害者が、追加捜査のためソウル庁まで数百キロ移動しなければならないケースも想定される。済州の被害者は光州庁へ出向く可能性がある。 さらに全国6つの地方重大犯罪捜査庁は、当面は民間ビルを借りて使用する。本庁とソウル庁が入るソウル・乙支路のビルでは、貸主の反対により逮捕・拘束した容疑者を収容する留置場を設けられないことになった。 そのため本庁とソウル庁には一時的な待機施設だけを設け、留置場は必要に応じて近隣の警察署や矯正施設を利用する。これについては、捜査効率の低下や容疑者移送に伴う警備負担が増えるとの指摘が出ている。 刑事司法情報システム「KICS」も、重大犯罪捜査庁独自のシステムが完成する見込みの2029年までは、警察のシステムを共同利用する。 内部の電子決裁やメールなどの行政業務は行政安全省のシステムを暫定利用し、重大犯罪捜査庁専用の業務ポータルは2028年までに段階的に整備する計画だ。 1948年の検察制度発足以来の大きな刑事司法制度改革となるだけに、残された50日で人材とインフラをどこまで整えられるかが課題となっている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News