大阪府警は8月19日、竹中工務店の河井辰巳容疑者(61)を背任容疑で逮捕した。河井容疑者は、大阪・関西万博のシンボルだった大屋根リングの建設工事を手掛けた竹中工務店の総括作業所長で、現場責任者としてメディアにも多く登場してきた人物だった。 河井容疑者の逮捕容疑は、昨年2~6月に、竹中工務店の下請けとして万博工事に加わった奈良県内の土木建築会社A社を通じて、万博会場内の仮設事務所工事費を約1369万円水増しして竹中工務店に請求させた疑い。具体的には、奈良市内の河井容疑者の自宅のリフォーム工事をA社に発注したが、その代金を自分で支払わず、「大屋根リング関連工事」として竹中工務店に請求させたとみられている。A社は別のリフォーム会社に発注して、河井容疑者の求めに応じてリフォーム工事をしていたという。 ■「万博の成功に貢献したい」 奈良市の河井容疑者の自宅を訪れると、木を活かした高級感のある和風の外装が目を引く。近所の人はこう話す。 「2年前の秋くらいからリフォーム工事をしていた。玄関には木が使われて、ガレージもタイルが張り替えられ、すごくきれいにされていた」 河井容疑者は万博工事の現場では“有名人”だった。万博のシンボルである大屋根リングやパビリオンの西工区の責任者で、何度もメディアに登場し、工事の進展などについて語っていた。河井容疑者を10年以上前から知る、設計関連会社関係者が語る。 「私も万博の工事にかかわっていて、河井さんに何度か現場で会いました。『リングをなんとか予定通り完成させて、万博の成功に少しでも貢献したい。そのためには現場が一番で、万が一のことがあると大変なので、気が休まらない。だが万博という歴史に残る工事をやらせてもらい、とてもやりがいがある』とすごく頑張っていたので信じられません」 竹中工務店のYouTubeにも、〈大阪万博リング西工区総括作業所長インタビュー〉というタイトルで出演していた。